十二支というと、ネズミから始まる12匹の動物を思い浮かべるのが一般的ですが、
実際にその示すところは命の生長と退行であり、物事が生まれ種(たね)に還るその命の輪の12段階を示しています。
十二支を年齢に直してみると、
一番若い胎児がネズミ、ウシが赤ちゃん、トラが少年、ウサギが青年、タツが30代、ヘビが40代、ウマが50代、ヒツジが60代、サルが80代、トリが100才、イヌが120才、イノシシが140才くらいの年代の魂といわれるそう。
少年くらいまでは純粋、
五十代くらいまでは活力、
八十代くらいまでは老練といえますが、
だいたいこのあたりから神がかってきて、100才以上、イヌとかイノシシの魂はある意味、神の世界です。
ちなみに、それぞれの十二支は、
実際に社会で役割を果たすその在り方にもレベルの高低、成熟度の高低があります。
十二支はそれぞれ5つの成熟段階に分かれています。
(12の年代×5の成熟度で、60種類、六十干支になります)
例えば、魂は老練だけど、社会での立場は軽輩レベルとか、
魂は赤ちゃんだけど、社会での立場は権力者レベルとかそんな感じです。
この考え方は、その干支の位置に応じて果たす役割を知ることができたため、
王様が文官武官をどう配位するか、人民の誰を取り立てるか、などを考えるときに、利用されたそうです。
なお、この干支は年干支、月干支、日干支の3種類のうち、日干支で見ます。
陰占では、年月日の干支をみるときに、年干支と月干支を25%ずつ、日干支を50%で見ますが、軍略検討における人員配置で見られたのは基本的に日干支だけでした。
もっとも、古代中国において何万という人の命式を見るときには、当時の事情として、日干支くらいしか見ていられないという面があったのかもしれません。
同じ老練なトリでも、
闘うトリ、若いトリ、大人のトリ、権力あるトリ、達観したトリと現れ方が変わります。
これを十二支、各五段階分出してみて、
六十花格子に並べてみると、その年代と熟練度が遍くバランスよく配置されていて驚きます。