立春が明けて、東洋思想における新たな一年が始まり、天中殺が明けた方、天中殺に入った方はもちろん、それ以外の方も、新たに巡りはじめたテーマ(年運でめぐる十大主星)への取り組みをスタートされ始めたところと思います。
算命学では「スタート」のタイミングがいくつかあります。
年運のスタート(立春、説により冬至明け)や月運のスタート(節入日)のほか、律音もスタートのタイミング。
年にせよ月にせよスタートは大切ですが、中でも律音は「人生のスタート、リスタート(再出発)のタイミング」として重要です。
すべての人は生まれた年に東方に律音がめぐり、60歳の還暦で2度目の律音がめぐりますが、これは誕生の年が人生のスタートであり、還暦はそれまでの人生の経験を踏まえて、「自分らしさ」を基盤に改めて人生をリスタート(再出発)させるタイミングということです。
また、日干支、月干支の律音はそれぞれの方によりめぐるタイミングは異なりますが、「それまでの人生を踏まえてリスタートする」という点は同じです。
(日干支は自分自身の生き方、在り方をリスタートさせるタイミング、月干支は仕事や家系における生き方や在り方をリスタートさせるタイミングです。)
昨今は、お正月などもきちんも祝わなかったり、新たな年度を日常の延長で過ごす方も多く、スタートとか出発とかいうことに無頓着な風潮も感じられますが、「スタートの気」というのは実はとても大切だということを算命学を学び活かす上では肝に銘じておくことが必要だろうと思います。
これは、算命学において初旬にめぐる星は生涯寄り添ってくれる星だといわれる通り、
また生まれたときにめぐる大運(=初旬の前にめぐる大運=月干支=陽占の南の星)が自分の描く夢だといわれる通りで、たとえ無自覚無頓着にしていてもこうした「スタートの気」は自分の人生の重要な一要素となっています。
前に鋳型の話を書きましたが、「スタートの気」というのは一つの鋳型を形成します。そしてそのスタート以降、その鋳型は納音がめぐるまで営々と続いていくことになります。
よって、できることならこのスタートの気がめぐるタイミングには慎重に備え準備をして臨むことが望まれるように思います。
例えば、律音のタイミングで結婚や就職、転職、独立などすると、その結婚や就職、転職、独立のときの思いやカタチ(関係、在り方)が営々と続くことになるので、それが望むものであれば有難いものとなる一方、そのタイミングで緩慢な選択をし、破壊的な相性の人と縁を結んでしまったりするととても苦しいことが続くことにもなります。
いってみれば、律音はそれから続く30年を「設定する」タイミングなので、自分の役割を果たす設定をきちんと考える必要があるのではないかと感じます。
少し前から「100年ライフ」という言葉があちこちで見られるようになり、最近は「これからの人生をどう構築していくか」というご相談を頂くことが多くなりました。
その際に律音がとても大切だということを強く感じるようになったので書いておきます。
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