宿命の消化、というのは、陰占にせよ陽占にせよ大事なのですが、
何より大事なのは、天中殺の消化です。
6つの天中殺のそれぞれの役割は既に何度も書いているので経り返しませんが、
ざっくり書けば以下のとおり。
親の世話にならず、親の影響を受けず、親から財産を継承したりしないほうが良いのが、
子丑天中殺・戌亥天中殺・辰巳天中殺。
親の仕事を継承し、親から財産を受け継ぎ、家系のカラーを継承していくほうが良いのが、
申酉天中殺・寅卯天中殺・午未天中殺。
※宿命中殺がある場合は多少複雑になり、自立・はみだし運であれば、離れたいけど離れがたさが残り、
継承運は継承したいけれどそれをすると有効な継承とならず、
いずれの場合もそこには葛藤があります。
さて、天中殺の役割ですが、
少なくとも死ぬまでにその役割を生きなければ、人生が終わるときにおいてたいへんに不満足な人生であったと振り返ることになります。
逆に言えば、人生の後半、たとえ晩年に近くなってでも、天中殺の役割の道に立ち戻れば、人生が終わるときにおいて十分に満足感のある人生だったと思えるだろうということです。
はみだし運の子供に立派な会社を継がせたら、親が他界した途端に商売を売り払って別のことを始める、などというのはよくあることで、
親が存命のうちは親の意向に沿うものの、自由になれば自分の宿命の道を生きるようになるものです。
あるいは、継承運の跡取り息子が大人になっても世界中を飛び回り、いっこうに家に寄り付かなかったのが、
あるとき突然戻ってきて立派にその事業を継承する、ということもよくあって、
そういう人は、若いうちに自由に遊びまわり様々な経験をし、その量が臨界点を超えたときに雷に打たれたように「自分のやりたいことはこれだった!」と気づいて、遠くまで伸びたゴムが引き戻されるように自分の道に戻っていきます。
これらはいずれも、人生の半ば以降において様々な人生を経験して、はじめて自分のやりたいこと(=宿命の道)に気づく例ですが、
多くの場合、40代、50代とより年を重ねてから気づく人のほうが、
勢いというか力強さというか、くっきりとした覚悟をもってその道に勢いよく戻っていくように思います。
その意味で、「遅すぎるのでは?」と思う必要はないだろうと私は考えています。
少し前に、18年引きこもっていた当時49歳の息子を残して70代の両親の行方が分からなくなった、というニュースがありました。
今でもぐぐれば出てくるのではないかと思うので、気になる方はぜひご覧いただきたいのですが、
この事件では、親がいなくなってしまって取り残されたその18年引きこもっていた息子は、
仕方がないので引きこもるのをやめ、その後きちんと自分で生きている、というお話だったと思います。
(私が読んだのはその既にきちんと生きている、という後日談まで含めたニュースでした)
察するに、この子供は「親の恩恵を受けないほうが良い天中殺」の人で、
それにも関わらず親と同居し頼り切り、親の恩恵を受けていたことで鬱屈し、人生がどうにもならなくなっていたのだけれど、
現が心を鬼にしてその息子に「親の思恵を与えない」という選択をしたことで、その息子さんは自分の人生を生きることができるようになったのだろうと思います。
このあたりは、保護責任者にあたる場合、放置すること自体が罪になることもあるので軽々にはいえませんが、
「手放すことが子供のためになる」「追い出すことがその人のためになる」(=宿命の消化になる)
ということが少なからずある、ということは覚えてくと良いだろうと思います。
そうやって覚えておくことで、
その家に居ついている子供、あるいは引きこもっている子供が、
言葉にすることも認めることもないけれど、確かに発している「サイン」に気づけることもあるはずです。
ちょっと話が別の方向にいってしまいましたが、
言いたいのは、天中殺の役割をきちんと果たしていくことが大事ですよ、ということでした。
ぜひ、改めて、そして定期的に、
「自分がその天中殺の役割を果たしているか?」
「自分がその天中殺の道に沿っているか?
…ということを取り返ると良いだろうと思います。
その役割を果たしていくこと、その道にそって生きていくことで、いろんなことがスムーズに、着実に、発展的に進みます。
※諸事情あり、天中殺の消火を先に書きました。『十大主星の悪いところの活かし方、活かせる環境』は明日の午前中までに書きますので、今しばらくお待ちくださいませ。