異常干支というのがあります。
前にも書きましたが全部で13個あります。
(ぐぐると出てきます)
「異常」などと書かれるとなんとなく不穏な感じがしますが、まぁ実際、
・当たり前でない
・順当でない
・自然でない
・普通でない
みたいな干支です。
例えば丁亥という干支は、
丁が灯火、亥が水で、水の上に灯火があるっていうのは自然界にはありませんし、
壬午という干支にしても、
壬は海、午は火で、火の上に海があることも、自然界ではありません。
異常干支というのは全部が全部、そんな干支で、自然界にはない姿の干支です。
異常干支というと「霊感」というワードがよく上がるのですが(実際私も以前それについて書いたこともありますが)、
もう少し現実の人生や生活に寄せた言い方をすれば、
いわゆる「中庸を保てない」「不自然な」状態のものであるといえます。
宿命にあれば「中庸を保てない不自然な」人であり人生ということになり、
後天運でめぐれば「中庸を保てない不自然な」期間ということです。
中庸を保てないだけで、良し悪しは関係ありません。
極端に良いことも極端に悪いこともあります。
端的にいえば「特殊な」人であり期間というのが適切かもしれません。
よって、
異常干支を命式に持つ人というのはどこか「人とは違う」ところがあるものですし、
異常干支が後天運にめぐるときというのはどこか「いつもと違う」ことが起こります。
ちなみに、
去年は戊戌、今年は己亥、
先月は甲戊、今月は乙亥、
なので、ここ2年は異常干支の年で、
ここ2ヶ月は月も異常干支の時期。
よって世の中では「ちょっと変」なことが起こる時期です。
昨年、晴れの国岡山で洪水が発生したとか、
今月、東京オリンピックのマラソンが札幌で行われることに決まったとかいうのは、
確かに「ちょっと変」なこと。
しかしこの例示からも分かるように、
「異常」だからといってUFOが現れるとか、絨毯が空を飛ぶような奇想天外なことが起こるわけではありません。
異常干支というのは、
その構成している要素(干と支)自体は自然界にあるもので、
その並びが「ちょっと普通と異なる」というだけのものであるのと同様に、
その効果・現象というのも、
「その人の全てがおかしい」とか、
「その期間の生活のすべてが異常」ということではなく、
「その人のある側面がとても個性的」とか、
「普通の生活の中で、ちょっと何かおかしなことがある」みたいな感じで出るものです。
例えば、
仕事におかしなことが起これば家庭は平穏とか、
家庭で異常なことがあれば仕事は順当とかいうような感じで「一部」に出るもの。
このあたりは、
天中殺や対冲などの消化にも共通するのですが、
やられるときは、だいたいどちらか一方(仕事が家庭のどちらか、親か子供のどちらか、あるいは過去/実績と未来/夢のどちらかなど)です。
しかしいずれにしても、
異常干支というのは
「何かしら一つは変なことがある」
ことを示すシグナルのようなものなので、
そのことは念頭に置いておくことが必要かもしれません。
逆にいえば、
「何か一つは変なとこ」を見つければ、
まぁなんとなく安心できる感じもあります。
(一つで終わるとは限りませんが)
よって、
それが異常干支の時期であるとあらかじめ認識している場合や、
命式に異常干支があるような場合というのは、
何かしら自発的に「ちょっと普通でないこと」をやっておくとか、
何かしら「おかしいこと」を生活の要素に取り込んでおいたりすると、
大騒ぎすることなく消化できることもあります。
そういう時期と割り切って、
普段できないことをするきっかけにしてみる、というのも、良いかな、と思いますがいかがでしょうか。
※参考『算命学Ⅷ』高尾学館