調舒星という星は、大いに裏切られることによって螺旋を登ることができる星といわれます。
理屈でものを考えることが出来る鳳閣星に比べ、調舒星はとても情的な星。
激しくも正直に、その好みに率直であるために、
まわりの人や出来事に様々に反発したり嫌悪したりとネガティブな意識を深く強く抱くのですが、
実はその前提にはそのネガテイブな意識と同程度に深く強く愛情を抱く星でもあり、
いってみれば、深く強い愛情の反転として反発や嫌悪が生まれるともいえます。
大事に思うが故に様々に心を砕き手を尽くし、最大限に愛情をかけつつ、
それに報いてもらえなければ、
同じ振り幅で恨みが募り冷淡にもなれる星。
ハタから見るととても苦しい星ですが、
調舒星はそんな苦しい経験を積み重ねることによって次元が上がり、心の豊かさを得られるといわれます。
三大奇星の一角をなす調舒星は、
物の考え方が他の人と異なります。
普通の人は一つのことを土台として積み上げるようにものを考えるものですが、
調舒星というのは順序がなくあちこちに飛んでしまって思考の連結がありません。
何か、例えば事業を展開するときなど、
一足跳びに拡大したりもするし、
一足跳びに縮小したりもする、
同じ調舒星を持つ人であればその意図するところを理解することができますが、
そうでなければ支離滅裂だという評価にもなります。
よってその人生は、とても激しく波乱に満ちたもの。
「軍を率いる大将が陽転した調舒星であれば手を出すな」
と古来いわれているのですが、
これは、激しい動乱の中の調舒星は、あらゆる手段、想像を絶する手を駆使して向かってくる恐れがあるからといわれます。
動乱での戦いは車騎星の強さばかりが取り上げられますが、
調舒星はプライド(金性、車騎星や牽牛星)を剋すので、プライドを捨てて捨て身の攻撃ができたりします。
なんだか生きにくそうですね。
と、思われる通り調舒星は生きにくいのですが、
それでとそうした激しさや反骨精神を押さえ込んだり素通りしたりして生きてくると、
調舒星の長所である奥深い感受性や創造性、完璧主義が花開くこともありません。
手酷い裏切りにあって反骨精神の真骨頂を発揮するとか、
忌み嫌うものを徹底的に嫌って孤高の極みに到達するとか、
そういうプロセスなしには陽転しないともいえます。
「徹底的」な激しさを持つのが調舒星で、この星は、そんなふうに若い頃に「徹底的に」怒りとか恨みのようなネガティブな思いを抱くことで良さが出るといわれます。
持つ星を活かすということを考えるときには、
その苦しい面から逃げたり無視したり素通りすることは厳禁です。