人間、落ちるところまで落ちないと上がれない、ということがあります。
お金を失う、名誉を失う、人間関係を失う…
なんでもいいですが、「徹底的に失って失意のどん底まで落ちる」という経験をしないと上がれない。
ちょっと失敗する、
ちょっとうまくいかない、
ちょっと評価されない、
…など、いわゆる「安全弁」を張って、その安全弁のところまで落ちたら急いで引き上げてじっとしている、みたいなことでは、
それ以上落ちることはないかもしれませんが、それ以上、上がることもないだろうと思います。
言い換えれば、
「徹底的に落ち切った自分をくっきりはっきり見据えた人だけが上がれる」
ということでもあります。
先日、「地方出身者のほうが活躍する」というようなことを書きましたが、
あれは、「地方出身の人が都会に出てくれば活躍する」のであって、
地方の人が地方にそのままいても、活躍することは少なくて、
自分の生まれた町を離れ、親切にしてくれる人や仲の良い人のいない=寄る辺ない環境=すべてを失った環境に身を置くことで、活躍に向かうのだろうと思います。
ちょっと話がそれますが、
政治系メロドラマ『スキャンダル』の最終シーズンまで観て感じた、
このドラマの裏テーマというのは、『強くたくましく自分の足で立って生きることができる子供の教育』で、
その軸になるのは主人公オリビアの両親だと思っています。
このオリビアの両親というのは、父親は殺し屋を率いる影の組織の司令官であり、母親や大量殺戮を厭わないテロリストとして描かれており、
その「トンデモ感」から見過ごされがちなのですけれど、
個人的には、このドラマはそのトンデモな両親の言動、そのトンデモな両親とオリビアのやり取りだけを拾った総集編を作れば、
「子育てドラマ」としてとても価値あるものになるのではないかな?と思いますがどうでしょうか。
このドラマにおいて、オリビアの両親はとにかくオリビアに厳しい、厳しいというか、毒親であり、冗談みたいな「人でなし」ですらあるのですけれど、
この、徹底的に娘を落としまくる、攻撃しまくる、自尊心をぶち壊しまくる…という両親の姿勢というのが、
間違いなく、オリビアを成長させ、発展させ、そして覚醒させたように思います。
オリビアの毒父ローワンと毒母マヤは生きるベクトルはまるで異なるのですけれど、
共にオリビアに対して伝えていることは共通していて(最初はそうは観えないかもしれませんが)
それぞれが、それぞれの局面においてそれぞれの言い方、伝え方で、
なれ合いや互助会の中で「なんとなくの成功」に慢心して偉ぶるオリビアをこれでもか!というほどに貶めます。
そういうなれ合いや互助会の中でうまく立ち回って得た成果を振りかざすオリビアを徹底的に嘲ります。
オリビアは、そんなふうに、
この両親と対峙することによって、「徹底的に落ち切った自分」というのを経験し、
それをこの両親に突き付けられることにより、「くっきりはっきり見据える」ということをせざるを得ず、
その結果、ガツンと上がることができたのであろうということです。
ちなみに、
この構図は、放映当初はPTA他からクレームの嵐を呼んだといわれる、天海祐希さん主演の名作ドラマ『女王の教室』にも見られました。
天海祐希さん演じる鬼教師によって、徹底的に攻撃され、貶められ、虐げられ、そして現実を突きつけられた、志田未来さん演じる中学生が成長していくストーリー。
成長、と書きましたが、大人であれば、発展・飛躍・成功、というのも、やはりこうした「徹底的に落とされる」「徹底的に攻撃される」そして「シビアな現実と向き合う」ということなしには成り得ないのであろうと思います。
算命学でいえば、そういう「落ち切る」転換点が対冲や天剋地冲のタイミングであり、
「落ち切ってこそ上がる」というのは、大運天中殺の陽転の仕組みをみれば分かりますね。
なお、この両親とオリビアの構図は、「父母同星」なのではないかな?と思いました。
⭐︎父母同星の型はこちら:https://note.com/kinugyokutoan/n/n94d854be024f
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