金烏玉兎庵

物々交換と禄存星

Photo by 五玄土 ORIENTO on Unsplash

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海外ドラマ『ビリオンズ』を見ていると、頻繁に「貸し借り」とか「取引」というのが登場します。
日常生活における「貸し借り」はある程度タイムラグのあるものですが、『ビリオンズ』では多くの場合、一話の中で「貸し借り」は完結するので、何と何が取引されたかがとても分かりやすいです。

 

何かをしてあげたらその見返りを求める、
何かをしてもらったらそのお返しをする。

 

その対価はお金ということもありますが、
多くの場合、お金ではなく、
欲しがっているものをあげるとか、
して欲しいと思っていることしてあげるというカタチの対価で精算されます。

 

お金に困っていないお金持ちにとっては、
お金を積まれるよりも、
そうしたモノやコトのほうがありがたいので、そうしたことはむしろ歓迎を持って受け入れられています。

 

一方で、
一般的な社会であれば、
みんなではないにせよ、
そこそこ多くの人が「それより何より金をくれ」と言います。
実際、ほとんどの場合において現金を介してモノやスキルがやりとりされます。

 

この違いは何だろう?と考えてみるに、
無色透明の貨幣であるお金を対価とするほうが考えなくて良いので簡単だし、
他に使いまわすこともできるし、
何よりそのほうが「蓄積」できるから、
という貨幣経済発展の理由に行きつきます。

 

こうして書くと気づく人は気づくと思うのですが、
これは禄存星と司禄星の違いにあてはまります。

 

禄存星は回転財の星、投資の星、愛情奉仕の星といわれ、何かをしてあげることことが先にあって、そのお礼として対価を受け取る星、その世界は大きく広いものになります。

 

一方、司禄星は蓄財の星、積み重ねの星、家庭的な星といわれ、得たものをコツコツと蓄積し、手放すことなく整理して積み重ね、慎重に身の回りの世界を大切にします。

 

これを誤解を恐れずに言い換えれば、
物々交換は禄存星的、
お金による取引は司禄星的、
ということになるのではないかと私は考えています。

 

物々交換であれば、そのモノやコト、スキルに付随する情報が広がり、回転していくので、次の取引につながる一方、
物(モノやコト、スキル)と金銭のやり取りは、そのモノやコト、スキルの情報はそこで一旦完結し、蓄積されるからです。
(蓄積された後で何かを買うのに使われるかもしれませんが)

 

そう考えると、
貨幣経済が世界を発展させたというのが世界の常識ですが、

物々交換のほうが世界は発展するのではないかな?
と思ったのですがどうでしょう。

 

禄存星はスケールが大きくてダイナミックな財の星、
司禄星は堅実で着実ではありますが、家庭や身の回りという内向きな力なので、社会に対するインパクトという意味では禄存星に劣ります。

 

誠意ある物々交換というのは、
相手の欲するものを慮る愛情や、相手のために何かをする奉仕が先にあり、
その対価が相手からの思いやりある贈り物や奉仕という形で返ってくる、
まさに禄存星の星の意味の通りであり、
静的な蓄積よりも動的なインパクトを社会に与え続けることができます。

 

このところ命式を拝見する対価として、
何か「お金ではない対価」をいただく、ということをしているのですが、
現時点での私の体感としては、
お金のやり取りをするより、
物々交換のほうが「取引」の相手とのコミュニケーションは深まり、新しい世界にアクセスしやすいですし、圧倒的に豊かな気持ちになれます。

 

物々交換を前提にするなら、
自分が与えられるオリジナルのものを手に入れたり、自分が提供するスキルを磨いたりしなければならないわけですが、
その代わり、相手の人柄に触れたり、その人のスキルを知ることができたり、自分の知らないモノに出会ったりすることができます。

 

お金という代替手段を介さないので、
いろんなことがダイレクトにその「取引」で完結します。
(対価がお金だった場合、それをさらに何かに使うという二次的なアクションが必要ですがそれが不要であるという意味ではそのほうが効率的でシンプルかもしれないとも思います。)

 

物々交換の難しいところは、
自分の欲しいものが明確でない場合や、
相手の欲しいものを知ることが難しい場合ですが、
自分の人生行路を明確に見据えている人というのは欲しいものが明確ですし、
その人生行路を着々と歩んでいれば、他人から見てもその人が欲するであろうものは案外と見つけることができるものでもあります。
さらにいえば、欲しいものを伝えるために、自分の欲しいものを明確にする、ということにもつながるのではないかと思います。

 

ちなみに、
私が物々交換を始めたのは、禄存星的な要素を生活に取り込むことが目的でした。
星図牽牛星と調舒星の七殺(陰同士の激しい)火剋金あるので、禄存星を入れて、陰火→陽土→陰金のスムーズな相生の流れを作ることで、それを緩和しようと考えたわけです。

龍高星的な「実験」ともいえるこうした取り組みが奏功しているか、まだはっきりは分かりませんが、このところ割と穏やかな日々なので、うまくいっているのではないかな、と思います。

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