日経新聞の『私の履歴書』で、ただ今現在、コシノジュンコさんが連載されています。
コシノジュンコさんというのは言わずと知れた世界的なデザイナーですが、その同期に高田賢三さん(ケンゾー)、松田光弘さん(ニコル)、金子功さん(ピンクハウス)らが名を連ね、
山本寛斎さんは弟子、安井かずみさんや加賀まりこさんは親友で、伝説のイタリア料理店に集うメンバーの一員でもあり、映画監督の黒澤明さんや作家の三島由紀夫さん、建築家の丹下健三さん、画家の岡本太郎さんらとも若い頃から親交があったと知って驚きました。
まさに時代と流行の中心にこの人はいて、
間違いなく世の中を牽引する集団の一員で、
引力の担い手として台風の目のど真ん中を疾走していたのだろうと思います。
先日、
自分の目指すべきど真ん中にまっすぐ向かう人と、
ど真ん中のまわりを遠巻きにぐるぐる巡る人と、
ど真ん中からかけ離れたところで生きている人というのは、
それぞれに住む世界が異なり、その世界が交わることはないということを書きましたが、
コシノジュンコさんというのはその「中心にまっすぐ向かう人」で、この人を取り巻く人たちも同様に「中心にまっすぐ向かう人」であったのだろうと思います。
この場合の「中心」とは、
「全きオリジナル」のこと。
宿命と行動が一致していると幸運やタイミングに恵まれて、世界が応援してくれているような活躍に向かうことができるものですが、
作品や行動、言葉、在り方などが「全きオリジナル」である場合も同様に、世界が応援してくれているような追い風に恵まれたりします。
これを別の角度から言い換えれば、
命式というのは人間を構成する五行の気を示すもので、その五行が自然と調和的になると活躍することができるものですが、
一方で、東洋思想では人間は十人十色、1000人いれば1000通りの生命、生き方、個性があるとされ、それぞれがその個性を発揮することが世界の発展に寄与すると考えるので、
「全きオリジナル」を顕現させる人というのはそれだけで世界に対して大きなインパクトを与え、引力の中心になることができる、ということになります。
但し、「全きオリジナル」のみに突っ走ると偏りが大きすぎて破壊に向かうことになるため、長期にわたりその「全きオリジナル」が存在の場を得て引力を備えるにはそれを支え維持するエネルギーも必要です。
コシノジュンコさんがどうやって「全きオリジナル」を顕現させ、それを維持して引力を備えたか、
それは日経の『私の履歴書』をぜひ読んでいただきたいのですが、
少しだけ書いておくと、
「全きオリジナル」をインパクトをもって顕現させた最初は多分、最初のお店を「誰も見たことのない店を作ろう」という意気込みの元で作ったこと、
そして維持するエネルギーは、デビュー以来不変のあの髪型(「モンパルナスのキキ」を真似ているそう)ではないかと思います。
「全きオリジナル」とそれを支えるエネルギーがバランスすると大きな活躍に向かうことができます。
そういえば、
テクノユニットのPerfumeもある意味では「全きオリジナル」を提供し続けていますが、彼女たちも髪型を変えないことでエネルギーがバランスし、活躍している人たちではないかと思いますがどうでしょう。