世の中、得だけして生きていきたいという人がいます。
損は絶対したくない。
そういう人は目端がきき、お金に敏く、人に隙をみせることもなく、なんとなく狡賢い印象やガチガチで近づきがたい印象を感じさせ、場合によっては威圧感さえ漂わせています。
この手の人は、付き合う人についても、
「得になる人としか付き合いたくない」とか、
「利用できる人としか付き合いたくない」とか、
考えていていたりします。
一見利口に見えるこうした生き方ですが、実は多くの場合、その見込み通りになることはなく、
思いがけないところで損をしたり失敗をしたり、あるいは信じられないようなおかしな人に手こずったりする傾向にあります。
人の人生には、失敗も成功も同じだけあります。
人との出会いや関わりも、いい人もいれば悪い人もいて、それを制御することは出来ません。
損得、成否、陰陽というのは常にバランスしています。
位相法を見れば分かる通り、12の周期で、広がりも収縮も、和合も対立も定期的にやってきます。
得することだけを選択していても、どこかで強制的な損失を被ったりしますし、
ラクだけを選択していたとしても、どこかで強制的な苦労を背負うことになったりします。
得だけ、ラクだけ、利益だけを選ぶという方法では人生の波をコントロールできません。
コントロールする方法があるとすれば、
得する時期、ラクできる時期、利益を得られる時期を最大限利用し、
損する時期、苦労する時期、消耗する時期には頭を低くしてなるべく大きな行動を控えて過ごすことくらいです。
世の中の「運が良い」といわれる人は、
運の良いときに行動し、運の悪いときには行動しない人だといわれますが、
それと同じように、時期に応じて過ごし方、対処の仕方をコントロールするのが最善です。
ちなみに、
日頃から、ある程度の損とか、あるいはおかしな人との関わりを極端に避けることなく、
おおらかにそうしたことを受け流しつつ過ごしていれば、ネガティブなインパクトもやわらぎます。
無駄金を使う、
人に譲る、
心を緩める、
というのは生きていく上での「緩衝材」のようなものなので、
意識的に日々の生活の中に取り入れるようにすると、たぶん体感として世の中が優しくなったように感じるのではないかと思います。
得することとか、
勝つこととか、
自分の満足することばかりに拘っている限り、世の中は冷たく、ときに冷酷に感じられるものですが、
少し手放すだけで、俄然世界は優しくなります。
なお、
これと同じように、自分と合わない人、
衝突してしまう人やうまくいかない人も何割か自発的に生活に取り入れておくと「免疫」のように働きます。
世の中、そうした合わない人を100%避けて通ることはできないし、
合わない人と付き合うことで成長につながるとか才能が磨かれるということになったりします。
なので、自発的に敢えて何割かそうした人を自分の交友範囲に入れておくと、人間関係における脚腰が鍛えられるので、ネガティブな時期にどーんと厳しい人間関係に囲まれたときに慌てずにすみます。
何事も、陰陽のバランスが大切。