◆子丑天中殺は初代運です。
家業を継承するのではなく、一から自分で家を起こす生き方が望まれます。
これについて、遺産の継承をしてはいけないのか?
という質問を頂いたのですが、
本質的には親の遺産も継がないほうが良い人です。
ただ、本人が社会人として十分に大成し、自分の力でやっていける場合は別。
子丑天中殺の人は親とは別の運気の流れの人なので、親の遺産で何かをする、親の運気の流れを利用しようとすると歪みがうまれ、うまくいきません。
よって、遺産を継いでそれを元手に仕事をしようとすると禍が出るのですが、親の事業や遺産で身を立てようとか生計を立てようとかするのではなく、
単に継承するだけであれば問題ありません。
◆寅卯天中殺の人の友人関係についての質問も頂いたのですが、
基本的に寅卯天中殺の人は友人関係には恵まれません。
寅卯天中殺の人は2代目、3代目運で、家業・家運を維持継承する役目の人たちです。
友達関係には恵まれませんが、配偶者や身内との関係は緊密です。
とてもエネルギーが強く積極的、行動的。
他の追随を許さないほどの前進力があるので、そもそも「友達と手を取りあって円満に仲良く」とはいかない性質です。
出る杭として攻めに強いということは、協調性を欠くということでもあるので、
もし友人関係に悩みがあるのであれば、ある程度そのアグレッシブさをコントロールしたほうが良いかもしれません。
上昇しすぎると天中殺のときにドーンと落ち込む傾向にもあるので、コントロールして脇を固めるのも無駄ではないように思います。
◆辰巳天中殺の人に情緒がない、というご指摘もありましたが、そもそも辰巳天中殺の人の強みは現実にあります。
情緒的な会話より実利的な交渉に強く、オリジナルの世界観をロマンチックにではなくリアリスティックに実現し、現実を力強く生きていける人。
いわゆる「はみ出し運」といわれますが、誰かの二番煎じや誰かに勧められたことをやるよりも、自分の独自のアイディアを単なるアイディアではなく現実に実行していく力のある人なので、そこに情緒が介在する余地はありません。
自分のイメージを率直に生きるのは案外と難儀なもので、それをするなら心をひとまず棚に上げてしまわないとできなかったりします。
◆午未天中殺の人に、子供ができないのでしょうか?と訊かれましたが子供ができないということではありません。
実際、子供がいる午未天中殺の人はたくさんいます。
単に、家業・家系のカラーを継承する子供にはならないということです。
ある意味では大きく飛躍する可能性のある子供になることもあります。
ちなみに、午未天中殺は子供運がないのではなく「目下運がない」ということで、子供や部下に恵まれない、ということなのですが、子供にも部下にも恵まれない、ということはありません。
子供か部下、どちらかが悪ければもう一方は助かります。
ちなみに、目下は弱くても親や目上には恵まれるので、そうした運命の癖を利用し、計画的に消化することで欲しい運を得ることもできます。
◆申酉天中殺は「自分が中心になりたい」人たちということを書いたことについて、申酉天中殺なのに中心になれなかったらどうなのか?という質問もありました。
基本的に申酉天中殺は西方(配偶者や身内)が欠けるので安住できないから自分が外に出なければならないという仕組みです。
寅卯天中殺が友人関係が欠けることによって現実における推進力を得たように、申酉天中殺の人は配偶者が欠けることによって推進力を得ます。
総理大臣の多くが申酉天中殺と寅卯天中殺が多いといえば、その現実における力強さが伝わるでしょうか。
何をもって「中心」というかは人それぞれですが、一言でいえば友達の多さ、人脈の多さ、それを駆使した情報収集力をもって組織を支える要になる、それも裏からではなく表立って支えるのが申酉天中殺です。
もし友達の少ない、組織から外れた申酉天中殺の人がいれば、少し振り返ってみたほうが良いかもしれません。
◆戊亥天中殺の孤独についての質問もありました。現実虚、中央虚といわれる天中殺なので、確かに他人との相互理解は難しく、当然に孤独を感じる傾向にあります。
しかし戊亥天中殺はその虚である中央に自らの世界を構築する役目があり、その役目を果たすためにその孤独があります。
申酉天中殺は西方が欠け、寅卯天中殺は東片が欠けることで現実における推進力を得ましたが、戊亥天中殺は自らの足場が欠けるので、その足場を自ら作ることに推進力を得ます。
誰かを頼ろうとすればするほど運勢は落ちます。
頼れるものがないので、それを支えるものとして心の修行が必要です。
若い頃には孤独と苦労を重ねますが、それに気づいて努力を重ねた戊亥天中殺は40代後半以降、運気が安定上昇します。
逆に40代になっても低迷している場合は、親など人に頼り、精神的な成熟に欠けているということかもしれません。
参考:『天中殺開運の書』高尾義政著