ご紹介した「結婚のご縁」のなかの天剋地冲について複数の方からご質問を頂いたので書いておきます。
天剋地冲というのは干支の組み合わせです。
干支の干を天干といい、支を地支といいますが、その天干同士が相剋で、地支同士が対冲の組み合わせを天剋地冲といいます。
天干が相剋ということは、考え方が正反対だということです。
地支が対冲ということは、行動パターンが正反対で、ガッツリ相手を壊します。
よって、天剋地冲の関係は、考え方も行動パターンもまるで合わない、破壊を伴う関係ということになります。
相剋とか対冲とかの関係において、
剋される側のダメージは大きいけれど、剋す側は大丈夫、などと言っておられる方が時々いますが、
運命論的には剋す側も剋される側も等しくダメージを負います。
喧嘩などで、攻撃した方が攻撃された方よりも気に病んだりするのと同じです。
考え方も行動パターンも正反対ならそもそも仲良くならないでしょう、
と浅く見れば思いそうなところですが、
人間、全く異なる人になぜか惹かれてしまうということが割と頻繁に起こります。
特に若い頃とか未成熟な人は、
自分にない魅力を過大評価しがちで、
そうした「自分にないところを尊敬」しているからと結婚したりします。
昨日、結婚は因縁浄化であり成長のための試練であるということを書きましたが、
苦労のない、大した試練を経験していない若い時期に結婚する人というのは、天剋地冲の関係にある人と結婚する傾向にあります。
彼らにとっての結婚は、
試練を消化し、もしエゴ強く悪因をたくさん作っていたとすればそれを浄化するために与えられた「強制的な人生勉強の場」です。
言い換えれば、
そうした勉強部屋に入ることが必要な場合に、そのような結婚をするともいえます。
苦労を重ね、成熟した人というのは敢えて異なる人を選択するという火中の栗を拾うようなことはしないものですし、その必要もありません。
なお、一般的な人間関係における天剋地冲は剋す側が強く相手を破壊するのですが、
結婚の場合、破壊する相手は運命共同体。
運命共同体である相手を破壊したそのダメージを負うのは結局自分なので、剋される側のほうが立場が強いというか負担が少なくなります。
結婚生活の中の破壊は想像するだけでもしんどそうですが、互いの発展性を削ぎ抑制するエネルギーであるということなので、
お互いに大きく発展することを志向しない関係においては大した影響が出ないこともあります。
破壊的なエネルギーといわれる組み合わせは、発展しないということなので、静かに過ごす分には問題が出にくかったりします。
これは、陽占における相剋などが、ある程度自分をコントロールできていれば顕在化しにくいのと同様です。
命式の顕在化というのは、それが良いものであれ悪いものであれ、
切羽詰まったギリギリの状況とか、
死に物狂いで頑張る本気の状況においてくっきりと起こるもの。
ぬるま湯のように平和に生きて行く分には、大したことにはならないこともあります。
但し、本気の何かにおいて対立するとか、大きな利害の対立とかが起こったときに、互いに譲れない状況になったら、その関係はかなり苦しいことになるように思います。
干支は年干支、月干支、日干支とあるので他の組み合わせで合法の組み合わせがあったりするとより複雑になるのですが、
敢えて結婚を継続することに拘らないほうが幸せなことも多くあるように思います。