先ほど書いた現実と精神に立脚する一極二元こそがモノゴトを軽やかに進める秘訣である、
という話は、実は三合会局の理論的背景でもあります。
前にも一度触れたことがありますが、
三合会局というのは十二支を円に並べて正三角形になる支の組み合わせです。
描いてみると分かるのですが、
三角形には必ず真北(子)、真東(卯)、真南(午)、真西(酉)が含まれており(これを四正といいます)それが基点になっています。
正三角形で結ばれた支は、
その四正の五行と同じ五行になります。
※例えば、亥卯未の正三角形の場合、
卯が真東で木性なので、この三角形の組み合わせが命式や後天運を含めて成立すると、
本来水性である亥や土性である未も木性になります。
基点が水性の三合会局は申子辰(水局)
基点が火性の三合会局は寅午戌(火局)
基点が木性の三合会局は亥卯未(木局)
基点が金性の三合会局は巳酉丑(金局)
水局と火局は、人生を進む上で精神が先で現実が後になります。
世の中への出発点において精神的に得たものが精神世界においてまとまり、精神を諸々の面で満たした後に現実的な行為として現れます。
若年期に本などで学んだことを後年世に生かしていく姿であり、
若い頃は精神性が高く見えた人が年をとると現実的に見えたりします。
(どのように現実的に行動するかはその三合会局が十大主星のどの星にあたるかによります)
これに対して金局と木局は、精神的なものが後回しとなり現実性が先に来ます。
若年期においては精神的なものは見られず、すべて現実のみを追い求める姿となりますが、
しかし現実的な世界において様々に経験することによって精神的なものを学び、やがては精神世界を充実させ、精神的な生き方になっていきます。
言い換えれば、
若年期に多くのものを学び書を読んだとしても、現実社会において実際に体験した後でないと真の学びにはならないということでもあります。
よって、金局、木局の人は若いうちに理屈抜きの現実世界を通り、年をとるごとに精神的な生き方を目指すのがスムーズということになります。
このように、三合会局は人生の前半と後半において生き方の形が異なるという特色があります。
この三合会局の形を陽占でいえば、
三合会局は十干から十二支を算出すると天貴星、天将星、天庫星の3つが連結しているということになります。
※例えば、水局は申子辰で構成されるので、壬を干としてこれらの地支を従星にするとこの3つの星になります。
天貴星は初めて人間の意識を持つタイミングの星で、いわば霊魂が宿り宿核ができるところ。
天将星は人生の最大隆盛のタイミング、山の頂上です。
天庫星はすべての人生が終わるタイミングとなります。
このように、三合会局は人間の出発から終わりまでを3点で結んでいます。
これは、三合会局の成立するところは、
有界への出発 又は 無界への出発の場所であるということ、
つまり、異次元への扉であるということです。
三合会局は「異次元融合」といわれますが、このように別世界を融合させる効果があり、
人間の人生でいえば、
身分の違う人や文化の違う外国の人などと広く相互理解を得やすいとか、
広い世界で活躍できるという現象となって現れます。
また、先ほど書いたお金の引き寄せの話に寄せて書けば、
精神をもって現実の行動を起こしやすく、
現実の行動をもって精神性を目指すということにも取り組みやすいということにもつながるので、
現実をスムーズに生きやすい、
ということにもなります。
一般的な占い書においては、
三合会局は貧賤の身にとって吉であり、高貴の身にあっては不幸であるといわれたりしますが、
それによって中庸を得てバランスが取れると考えれば、高貴の身の人にとってもあながち悪いことではないかもしれません。
参考:『原典算命学体系』第6巻