京都大学の文学部哲学科を卒業された森信三先生という方がられます。
平成元年に出版された『修身教授録』のご著者である、というほうが分かる方には分かるかもしれません。
さて、その森先生が、
『人間の使命というのは、
何らかの意味において国民としての使命、
民族としての使命と結びついてこそその使命に根っこが生え、揺るぎないものになる、
個人としての、名利心による使命など、一種にあがきに過ぎない。』
…ということをおっしゃっておられます。
その言葉を読みつつ思ったのですけれど、
そうやって、
自分の使命が国や民族というものに結びつくということは、
自分の捉える半径がそれだけ大きなものになるということであり、
そうやって大きな半径で世界を捉えることができれば、
その大きな半径の世界に支えられ、その大きな世界に根を張り巡らせてその使命に向かうことができる、
ということであり、
一方で、
個人としての名利心からくる使命などは、
自分の身の回り、自分の視界に入る範疇のことであって、
小さな半径の世界でぐるぐるし、浅いところに申し訳程度の根っこを張る程度のことにすぎない、といえますね。
そう考えると、
先日、時代の動きを捉えるには、アンテナを広く張ることが必要だということを書きましたけれど、
アンテナを広げることは、
単に時代を捉えることにつながるのみならず、
自分がこの世界に立脚して生きようとする際に根っこを張って支えを得る、
ということのためにも不可欠なのだろうと思いましたがどうでしょう。
なお、森先生は、先に挙げた文章に続けて、
『すべての物事は、そのものの意味を認めることの深さに応じて、その価値は実現せられるのであります。
人生の価値というのは、その意義を認めることの深さに応じて現れてくるものであります。
人間の生涯を通じて実現せられる価値は、
その人が人生における自分の使命の意義を、いかほど深く自覚して生きるか否かに比例するともいえましょう。』
…と、いうことをおっしゃっておられるのですが、
だとすれば、
それが正しいかどうか、それが真実であるかどうかに拘わらず、
自分が「これが自分の使命だ」と認識し、自覚し、それに邁進するならば、
そしてその取り組みに深く意味を認めるならば、
それは大きな価値を実現することにつながるのだといえます。
使命を自覚することの大切さ。
これは算命学が説く、有意の人生を全うするうえで最も重要な要素の一つであります。
そしてそのれを実現するには、
半径広く世界を捉えて根っこを張り、その支え得て、使命を自覚しその使命に邁進し続けること。
そうしたことが大切なのだろうということを、改めて感じました。
そして、
こういうことを書くと、鼻で笑うような人がたまにいますけれど、
そういう人を相手にしている場合ではない、ということもまた強く自覚して、
自分の使命と信じる道を行かねばならないのだろう、と、その森先生のご本を拝読しつつ考えた次第。
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