リベラルアーツ教育の第一人者、物理学者でありながら、今は音大の教授、岡山の美宙天文台台長などを務める佐治晴夫さんの本。
理論物理学はある面で哲学的、そして宗教的でもあります。齢82を数える人の言葉は重たく、そしてあたたかいです。
なんとなく東洋思想に通じるものを感じたので書き留めたものをご紹介いたします。
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「異質なものが調和したとき、進歩が生まれる」
「過去、現在、未来という時間の流れは直線的なものではなく、どこか螺旋を描いているようなところがある」
「単位を変えれば物の見え方が違ってくる。下界の歩調と自分の歩調を合わせることで感じる人生の長さは変えられる」
「『因』を縦糸、『縁』を横糸だとすれば、人生はそこから編み出される織物」
「自分をコントロールできているという錯覚。自分とは『自』然の『分』身」
「『ゆらぎ(誤差)』がある世界、半分予測できて、半分予測できないから心地いい」
「話し方の音声の中に、話し手の全人格が投影される」
「『ある』と『ない』を超えたところに真理はある。あるとないの否定を繰り返す先に、自分と他者との区分がぼやけてきて、絶対的肯定の世界が立ち現れてくる」
「大事なものは目に見えない。心で見る。自分を深く見つめることが、ひいては他者に対して闇を照らす灯りになる」
「『ある』と『ない』はワンセットだと意識することの先に真実が見えてくる」
「自分では自分の顔さえ見ることができない。鏡に自分を映しても、それは左右逆転の姿。それなのに、自分のことは自分が一番よくわかっていると思い込み、周囲の声に耳を閉ざしていないか?」
出典:『宇宙が教える人生の方程式』