ずいぶん前に、
『女神の見えざる手』という映画について、
その女性ロビーストの姿は車騎星そのものだということを書いたことがあります。
実際、この映画の原題である『Miss. Sloane』の「sloane」というのは、ゲール語で「戦士」を意味します。
Miss. Sloaneとはこの映画の主人公であるエリザベス・スローンのこと。
車騎星は全き戦士の星で、勝つことにこそ価値を置く星ですが、
なるほど、このスローン女史は、最終的な大勝利を勝ち得るために、
あらゆる戦略・知略を駆使し、最後には自らを武器にしてその大勝利を獲得します。
この映画を観ると、車騎星がときに自己犠牲の星である、といわれることの意味がとてもよく分かります。
さて、この映画以来、主人公を演じたジェシカ・チャステインさんに注目していて、
先日、この方が主役でなければ多分見なかったであろうホラー映画、
映画『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』 を観ました。
この映画は、スティーヴン・キングの長編小説『IT-イット-』の後半の映画なのですが、
当初、「ホラー映画」と思って観始めたら、最終的には青春映画『今を生きる』にも似た、人生を説いた素晴らしい映画でした。
※以下ネタバレを含みますのでご注意くださいませ。
この映画、陰気なピエロをはじめとして、たくさんの恐ろしげな妖怪や幽霊?怪獣?がそこここに登場し、
その繰り返し現れる妖怪と戦い、血みどろになりながら、ときに命を落とす人も出てくる映画なのですが、
その描こうとするところは、
「東方納音+10年」の乗り越え方、
つまり、40代以降の生き方なのだろうと思います。
東方納音とは、誰しもが30歳のときにめぐる人生の転換点で、
30歳までは様々に冒険し、自分のキャパを広げ、広い世の中への冒険に向かうべきですが、
30歳の納音を超えたら、今度はその広げてきた人生の中から自分のの頃に叶うものを選び取り、
人生を広げることではなく人生を深めること、自分自身を研ぎ澄ませていくべきフェーズとなります。
つまり、この映画は、そういう転換点について映画なのではないかな、というお話です。
主人公を含む7人の「ルーザーズ(負け犬)」は、映画では43歳。
(27年ごとに起こる怪奇現象について「次は70歳」というセリフがあるところから現在43歳であることが分かります。)
43歳になった「ルーザーズ」は、
小説家や専門家、コメディアンや高級服飾ブランドオーナーの妻、などそれぞれに成功していますけれど、
実際にはその幸せには「欠け」があります。
その「欠け」はそれぞれの若年期における挫折やコンプレックスに起因するのですが、
この映画は、
その若年期の挫折やコンプレックスと真正面から向き合い、それを踏み越えていかねばならないということ、
その若年期の挫折やコンプレックスを踏み越え、打ち克つ強さがなければ、
それは死ぬことに等しい、ということをショッキングな映像と共に描いた映画であるように思います。
挫折やコンプレックスを自分の中で飼い続けている人は世の中にごまんとおられます。
そういう人たちが命を維持しながら生きているのをみれば、
挫折やコンプレックスを踏み越えなくても、打ち克たなくても、
死ぬことはないのでは??
…と思う人たちに喝を入れること、
そのためにホラー映画という体裁で創られた人生訓が、この映画なのではないかな?
と思うのですがどうでしょう。
算命学という観点でいえば、
30歳の東方納音を超えてなお、
人生を深めること、自分自身を研ぎ澄ませていくべきフェーズに入らない場合、
だいたい40歳くらいで「それではダメですよ!」ということを知らせる出来事が起こります。
人により、仕事を失うとか、離婚するとか、病気になるとかいう、人生の「強制停止」的な出来事が起こって、
自分の生きる方向について思いを巡らせるべく促されます。
私の場合は骨折でした。
実際、同じ時期に骨折される方も結構多く、
それを機に人生を転換させた方も少なからずおられますね。
さて、この映画では、当初7人だったルーザーズが、エンディングでは5人になっています。
一人は恐怖に立ち向かうことから逃げて自殺し、
もう一人は恐怖に立ち向かうところまでは辿り着きましたが、その恐怖に打ち克つ強い自己がなかったために命を落としました。
その意味するところは、
その40歳くらいの人生強制停止の出来事によって、
きちんと人生を深めること、自分自身を研ぎ澄ませていくべきフェーズに強く向かう人にはその後の人生が続き、
人生から逃げ、あるいは自分の人生を力強く生きていけない人には、その後の人生は続かない、ということであろうと思います。
算命学では、
この「自分の人生を生きているかどうか?」を試される時期は、
いわゆる六旬目の時期が最も大きなものですが、
その遥か前の時期でも、
たとえばその納音の時期をきちんと納音らしく転換点として生きることができない場合には、
その六旬目のように、リアルな命の危機ではないにせよ、
本質的な意味での人生を生きることができない=死に値する大罪である、
…というのは、至極納得のところと思いますがいかがでしょうか。
この映画の最後には、生き残った5人のルーザーズたちは、それぞれに挫折やコンプレックスを踏み越えて、
『欠け』のない、本当の幸せな生き方、本当の自分の人生を歩み始めている姿があります。
40歳前後、という年齢は、
若い人から見たら、ずいぶん大人で年を取った人間のように見えるでしょうが、
実際のところはそこが出発点、ということも大いにあります。
とりわけ、挫折やコンプレックスのために気後れし、
自らの道を歩み始めていないような人にとってはそれが「最後のチャンス」ということもあるのだ、
ということを念頭に、
40歳を超えたら、
自らの道を歩み始めることが望まれるように思います。
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