金烏玉兎庵

「宿命を消化する」ことは至上命題なのか?

Photo by 五玄土 ORIENTO on Unsplash

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ちょっとセンシティブなことを書きます。
気を悪くする方がおられるかもしれませんので、先に断っておきます。

さて、先日、友人が、
「あの人は自分の人生をあきらめてるよね」
…というようなことを言っていました。

いわんとするところは、
経済的な恩恵や立場のために、自分のやりたいことにおいて突き抜けようとせず、
まわりの人との調和を維持することを優先し、個性を発揮しようとしない、

…ということにいて、どうなのか?というお話だったのですが、

これが10代、20代であれば、何か破れない殻があるかもしれず、
他人の後押しやら応援やらで何かが変わるかもしれないのですけれど、

30代、40代にもなれば、それはその人の「避けがたい性質」であり、
その友人のいうことに同意はするものの、
基本的には、他人があれこれいって変わるものではありません。

他人から見て、

「突き抜けようとしないのか」
「調和を優先して個性を発揮しないのか」

…みたいに見える人というのはだいたい、
宿命において枠のない世界(中殺とか異常干支とか)を持ちつつ、
それでいて、現実には枠の中で生きているような人であることが多いように思います。

きっかけがなく「枠の中」にとどまっている人もいれば、

「枠がない」ということと「調和」が併存していて、
うまく「枠を超える」ことが出来にくい、という先天的な宿命がある人や、

「枠がない」ということと「身弱」が併存していて、
「枠を超える」ことに向けての強さを持たない、という先天的な宿命がある人もいます。

10代、20代で、他人の後押しやら応援やらで何かが変わるかもしれないのは、
きっかけがなく「枠の中」にとどまっている人、

一方、30代、40代で「枠の中」にとどまっている人は、
枠がない宿命を持ちつつ、先天的に枠を超えることができにくい宿命の人、

…という言い方もできます。

では、「先天的に枠を超えることができにくい宿命の人」は、
どうしようもないかといえば、時期により=後天運の力を得て、
うまく枠を超えていくことができたりもします。

先天的に、「調和」がある人なら、後天的に「偏り」ができる時期、
先天的に「弱さ」がある人なら、後天的に「強さ」が生まれる時期に、
行動を起こせば、それは「枠を超える」ことにつながることもあります。

なお、「枠を超えるべきなのに超えられない」人というのは、

本来の本人の宿命を消化していない人=他人の肥料になる人

…なので、出来るなら、自分が関わる人は出来る限り応援し、
本人が望むなら「枠を超える」ことのサポートもしますけれど、

世の中、案外と、「現状維持」の心地よさの中で、「一歩」を踏み出すことを望まない人も多いもの。

実際、こと「知り合い」に関する限り、
アドバイスをまともに受け取ってもらえることがあまりないので、今のところ、傍観しています。

冷たいようですが、
本人が望むわけではないことを、勝手にこちらから押し付けたりするのは、算命学の担い手としてはご法度です。

ちなみに、先日、「同座・異座」のことを書きましたけれど、
本来の宿命をくっきり消化していない人同士であれば、
異座の結婚でもそれほど気にすることなく円満な夫婦関係を維持している方もけっこうおられます。

何かのきっかけで、
それこそ、枠を超えられずにいた人が「枠を超える」ことを実現したりすると、
そこからいきなり異座によるすれ違いが顕在化し始め、その先に離婚に至ることもあります。

算命学を学んでいるような人は、
人間はくっきりと宿命を消化することが至上命題である、と考えている人が多いですけれど、
「全体調和」を考えたときには、必ずしもそうとばかりはいえないように思います。

親の世代で消化できなかったエネルギーが、子の発展に寄与するかもしれず、

そう考えたら、何が良くて何がいいか分からない、
頼まれもしないことを、出しゃばってあれこれいうことの弊害というのも分かるだろうと思います。

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