金烏玉兎庵

必要な「苦労の経験」の話

Photo by 五玄土 ORIENTO on Unsplash

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先日、
「苦労の経験」が良い方向に作用する人と悪い方向に作用する人がいます、
ということを書きました。

これについて質問がありましたので、ちょっと整理しておこうと思います。

さて、「人生の発展には苦労が必要である」というのは、
昔からいわれることで、
「若い頃の苦労は買ってでもせよ」という言葉もあるくらい、
世に知られたことであろうと思います。

にもかかわらず、
その「苦労」をしたほうが良い人と悪い人がいるとはどういうことか?
本日は、それについて整理しておこうと思います。

さて、これは、全体観をもって捉えれば、至極当たり前のお話なのですが、
簡単に言えば、

「苦労」を経験する強さを持つ人はその強さの分だけ「苦労」をしたほうがよく、
そういう「苦労」に鍛錬されることで、その「強さ」が研ぎ澄まされ、
世に役立つ人物になることができます。

一方で、「苦労」を経験する強さを持たない人が「苦労」の経験をすると、
その「苦労」に耐えられず、
そこから逃げようと人間が捻じれてしまったり精神が病んでしまったり、
あるいは身体を損なってしまうことになります。

これは、
只今noteのほうで書いている、日干庚金の調候の守護神を考える際に、
庚金にとって、自分を火剋金と剋す丁火が守護神となることを考えれば、
理解しやすいところと思います。

一方で、先日その庚金の説明でも書きましたけれど、
強さのない庚金は、丁火で制せられると脆く崩れてしまうので、
土性でもって強めて上げねばなりませんでしたね。

この庚金を制するか強めるか?の考え方は、
算命学における他のあらゆる局面に通じることで、

例えば、
天将星がある人は、若い頃にたいへんな苦労してこそ活きるもの、
一方、苦労のない天将星は、始末に負えない残酷さを持つような人間となることもあること、

あるいは、
日干が丙午のような強い干支である場合、
若いうちに「孤高の罰」といわれる、孤独や苦労、あるいはみじめさなどを体験することの先にこそその後の発展がある一方、
和気あいあいとまわりに頼って生きていたりすると、わがまま放題の先にまわりから誰もいなくなってしまったりすること、

…などは、「強い庚金が丁火で制せられねば役に立つ鋼にならない」という考え方と同じです。

さて、その反対側、つまり、
「苦労を経験する強さを持たない人」、というのはあまりくっきりと書かれることがないのですが、これは「強さがない」「弱さ」というのが、必ずしも一様ではないからです。

例えば、天胡星から天報星にかけての1点から4点の身弱星や、
天印星を含めて「他人の力を借りる」ことが望まれるような十二大従星は、
まるで他人の力を借りられない、全き孤独の中にあると、
確かに苦しい面はあるのですが、

例えば、天馳星がめぐっている時期に困難に直面したとしても、
天馳星は「火事場の馬鹿力」的にエネルギーを発揮できることもありますし、
天極星などは是々非々で柔軟に対応できたりもしますね。

強いて言うなら、天報星は胎児の星なので、
ある程度知性が育つ前に母親との縁が切れると、人間性が捻じれてしまうことにもなりますし、

天胡星は病人の星で他人の力に頼って生きるエネルギーなので、
まったく孤立してしまいまわりに他人がいないとなると、これもいろいろ捻じれるものがあります。
もっとも、だからこそ天胡星はまわりに人を寄せ付ける術を様々に身に着けるわけですが、
それが叶わないと苦しいですよ、ということです。

「苦しい」とは、具体的に言えば、
道を損ないぐれたり、ときに犯罪に向かってしまったりもする、ということ。

例えば、まるで根っこがないような命式の人が、
他人と張り合いながらお金を自分でお金を稼がねば生きていけないような状況に置かれるケースも考え方は同じです。

ところで、眞子さまが年内ご結婚の見通し、というニュースがありましたけれど、
根っこのない(少ない)=利害損得の世界に生きる宿命ではない皇族の女性の中にあって、
この方は全支に根っこのある方。

皇族の身分を離れてこそ、活かされる命であろうと思うので、
相手に賛否はありますけれど、ご本人にとっては良かったのではないか、と思います。

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