金烏玉兎庵

「幸せ」とは何か?

Photo by 五玄土 ORIENTO on Unsplash

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世の中、

カッコいい仕事をしていて、
お金があって、
影響力を持っていて、
素晴らしい配偶者がいて、
一等地に持ち家があって…というのが幸せである。

…と、考えている人がけっこうおられます。
そういう前提の人から見れば、多分、世の中の大多数の人は「不幸な人」に見えるのだろうと思います。

私は、人生の割と早い段階で、

華やかに活躍する起業家の方や医者・弁護士という仕事をしている方、
あるいは何十億というお金を動かすトレーダーの方、
一言が何万人の人を動かすような方、
美しい奥様や立派な旦那様と結婚している方、
都心の一等地に立派な邸宅を持つ方や、六本木ヒルズに住んでいる方、

などと接点を持つ機会があったので、
そういう人たちが必ずしも「幸せ」ではないことを知っていて、

だからこそ、「幸せ」とは多様なものだということ、
「自分」にとっての幸せと、「他人」にとっての幸せというのは、
まるで異なるものである、ということを、
腹の底から言えるのですが、

そうでなければ、
そういう「はた目に幸せそうに見える」ものに価値を置き続け、
そういうものを目指し続けていたかもしれないな、と思います。

なぜ、突然そんなことを書いているかといえば、
note のほうに「人の人生は平等ではなく不平等なものだ」と感じる、というコメントをくださった方がいて、

恐らくは、その方はそういう「はた目に幸せそうに見える」ものをモノサシとして世の中を捉えているのではないか?
と感じたからです。

世の中には、
「カッコいい」といわれる仕事をしてキラキラしている人もいれば、
その人と同じ仕事をしながら「カッコ悪い」人もその数十倍、数百倍います。

例えば、売れている女優さんの後ろには、売れていない女優さんが何十人、何百人、いやそれ以上いるものですよね。

あるいは、お金があって、華やかに美しく装って煌びやかな生活をしている人もいれば、
その人と同じだけのお金がありつつも、
まるで冴えない生活をしている人、陰鬱な顔をしてお金を数えているような人もいるわけです。

影響力を持っていて、多くの人にかしずかれ、羨望の目を向けられる人もいれば、
影響力を持っているために妬まれ、脚を引っ張られ、陥れられて警察に捕まっているような人もたくさんいます。

素晴らしい配偶者がいて、絵に書いたような幸せな家族をもっている人もいれば、
そうした家族が実は仮面夫婦、家庭内別居をしている、というお話なども枚挙にいとまがありません。

一等地に持ち家があって、安心、安定の生活をしている人もいれば、
その家のために親族ともめているとか、固定資産税が払えなくて苦しんでいる、というような人も、想像以上に多いものです。

こうしたことは、
実際に自分がその立場になってみる、
あるいはそういう人たちと身近に付き合ってみる、
ということをしなければ、なかなか見えてこないものなので、

カッコいい仕事をしていて、
お金があって、
影響力を持っていて、
素晴らしい配偶者がいて、
一等地に持ち家があって…というのが幸せである、

…と考える方は、一度本気でそれを目指してみると良いのだろうと思います。
あるいは、そういう人と知り合い・友達になってみると、世の中の見え方がまるで変ってくるのではないかと思います。

結局、そんなものでは幸せにはなれない。
…と、気づいたところが、本当の人生のスタートです。

人間のスタートは、その誕生にある、という考え方は、
生物学上は正しいのですし、
大人としてのスタートは、20歳の誕生日である、という考え方は、
法律的には正しいです。

けれど、本当の意味での人生のスタートは、
「自分が自分の才能を発揮して生きていく」という感覚を得たとき、
その「世の中の手触り感」を知ったときなのではないかと思います。

そして一度その手触り感を知ってしまえば、
恐らく、

カッコいい仕事をしていて、
お金があって、
影響力を持っていて、
素晴らしい配偶者がいて、
一等地に持ち家があって…

というようなステレオタイプな価値観には見向きもしなくなるのではないかと思います。

見向きもしなくなった途端にそれらのすべてが手に入る、
ということはよくありますが、
そうしたあれこれを「目指す」ことはなくなるんじゃないかな、と思いますがどうでしょう。

なお、
「自分が自分の才能を発揮して生きていく」という感覚を得たとき、
その「世の中の手触り感」を知ったとき、
…というのは、東方の星が光ったタイミングです。

東方の星が適切に光れば、
他人からの評価を請うのではなく、他人が勝手に自分を評価し喝采を送るようになります。
他人にお金を求めるのではなく、他人が自分の言い値を払うようになります。
他人に好かれようとするのではなく、他人が自分の回りに集まるようになります。

そうなったときに、自分が欲するもの、それが「本当に必要なもの」であり、
人生を賭して求めるに足るものです。

誰にも評価されず、お金もなく、立場も不安定で、まわりの人に嫌われている中で欲するもの、選ぶもの、というのは多くの場合、
「不足を埋めるため」のものですね。

自分があらゆる人から評価され、ふんだんにお金があり、立場も確立され、数多の人から求愛される中で、何かを選ぶなら、それは多くの場合、
「本当に心が求める」ものであろうと思います。

本当の意味での人生の幸せとは、後者にしかなく、
後者を選んだ人の命式を眺めれば、驚くほど宿命に一致しています。

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