金烏玉兎庵

南天運のノーベル賞受賞者について考えたこと

Photo by 五玄土 ORIENTO on Unsplash

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【雑記】
今年のノーベル文学賞は、
タンザニア出身、英国在住のアフリカ系小説家の方が、受賞されました。

「文化のはざま、大陸のはざまにおける植民地主義の影響と難民の運命への厳しくも共感あふれる洞察に対して」というのが授賞理由だそうですが、
世界的に、難民問題が注目される中、政治的な色合いも感じられます。

…が、それはさておき、
この方の命式を拝見していてとても驚いたので、
ちょっとそれについて書いておこうと思います。

己甲戊  ★石馳
卯子子  車禄禄
乙癸癸  胡牽馳

さて、パッと見て、気づかれると思うのですが、
この方は、小説家であるにも関わらず、いわゆる伝達本能の星が一つもありません。
それどころか、習得本能の星もないので、
いわゆる「精神星」が皆無の南天運の方です。

地支はすべて四正の十二支なので、隠れている蔵干はなく、
星図に出ている星がすべての方なので、
「実は隠れた場所に精神星があります!」…ということでもありません。

つまり、
未来から情報を受け取って、より良い世界のために何かを伝えるわけでもなく、
過去の情報を活かすために加工して残していくわけでもなく、

ただひたすらに、
現実の営みの連続の現れが作品になっている、ということ。

何かを美しく伝える、あるいは自分が「感じたまま」を伝えるわけでもなく、
ウケ狙いの狡さやら、儲けるための計算高さから書いているわけでもなく、

生きてきた中で捉えたことを、
歪みなく、揺らぎなく、堅固な現実をそのままに積み上げていった先に、
結果として出来上がったのがこの方の作品、
…とでもいうような星図の方です。

ちょっと驚きましたが、
冒頭に引用した、
「文化のはざま、大陸のはざまにおける植民地主義の影響と難民の運命への厳しくも共感あふれる洞察」
というのが授賞理由であるのなら、

まさにその、
精神星に寄らず、歪みなく、揺らぎなく、堅固な現実をそのままに積み上げていったというそれこそが、ノーベル賞の受賞につながったのであろうと思います。

火性の星(伝達本能の星)や水性の星(習得本能の星)によって書かれる文章というのは、
揺らぎが混じり、ときに媚びのようなものを感じさせるのですが、
それらの星に寄らない文章、
つまり南天運の人の書く文章というのは、
堅固にして揺らぎのない、歴史考証的な力強さを持つもの。

この方の作品というのは、そういう力強さをもつモノなのではないか、と思います。

Wikipediaによると、
『伝統文化と物質主義が衝突する世界にくるしむ登場人物が安住の地をもとめるという構図は、以後のグルナの作品にも繰り返し描かれている』
…とありましたが、こういう星図の方がそれを絵がいたなら、
それは想像の産物や創造された作品などではなく、まさに真実に根差しているということが伺えます。

ちなみに、初旬において火性の星(伝達本能の星)や水性の星(習得本能の星)があり、
それらの星をもって本を書いたりすると、
何かと難しいことになりがちなのですが、

初旬の星は車騎星であることをみれば、
星図と合わせて精神星の星をデフォルトとしては持たないということであり、
この方の堅固な(と拝察される)文章というのは、
まがい物ではない堅固さを持つ文章なのだということが伝わってきます。

なお、この方の命式には四正の十二支しかないため、
エネルギー値は極端に低く129しかありません。

十二大従星をみればすべて身弱の星なので、
低いエネルギー値と合わせて、
小説家という生き方は宿命に応じているのですが、

南天運にして小説を書き、それがノーベル賞を受賞する、
その背景にあるものが何なのか、気になります。

…ので、日本語になっている作品はまだないそうですが、邦訳されたら読んでみようと思います。

※今回の命式算出にあたっては、南半球生まれであることは考慮していません。

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