五行の徳目を挙げると、以下のようになります。
木性＝仁徳
火性＝礼徳
土性＝信徳
金性＝義徳
水性＝智徳
このうち、火性に対応する「礼徳」というのは、
いわゆる「礼儀」に通じる徳目なのですが、
なぜ、伝達本能の五行である火性が「礼徳」なのかといえば、
他人に何かを真に伝える、本質的なものを相手に伝える場合には、
相応の服装、相応の態度、相応の手順、相応の言葉…をもって伝えないことには、
きちんと伝わらないものであることによります。
なんとなく、日常の中で、緩慢に生きているとイマイチぴんとこないのですが、
本当に大切な存在に何かを伝える、
本当に大事な用件を伝える、
本当に不可欠な頼み事を伝える、
…ということをしたことがある方であれば、お分かりと思いますがどうでしょう。
そんなことを考えつつ、
本来、人生というのは、
何かを伝えようというときに、
礼をもって為さねばならない、礼をもって為したい…と思う相手とのみ、
関わって生きていくべきなんじゃないかな？
…と思いました。
言い換えれば、
何かを伝えるときでも、礼儀なしに何かを伝えてしまえるような相手というのは、
相手にとってもたいへんに失礼であるのは言うまでもありませんが、
自分にとっても、
あまり意味のない、
むしろ、礼徳を損なう態度で接してしまう相手
＝自分の健やかな在り方を損なう相手
…という意味では、害悪にもなり得て、そこにエネルギーを割くべきではないのではないか。
これは、他の徳目についても同様のことが言えるように思います。
木性は守備本能ですが、
自分の主義主張をもって自分と自分の大切なものを守っていく、
ということをするときに、
人徳＝まわりの人に対する思いやりを欠いてそれをするなら、
それは自分を損ないます。
土性は引力本能ですが、
人に情愛をかけ、その先において人望を集め人を取り仕切ろうというなら、
信徳＝信用を損なわない在り方を全うする必要があり、
それなしに、他人を取り仕切ろうなどとすれば、それもやはり自分を損ないます。
金性は攻撃本能（仕事の実現・遂行の本能）ですが、
何かを攻撃する、あるいは仕事を実現・遂行する際には、
義徳＝欲得に囚われることなく、正義・大義がなければ、自らの道を閉ざすことになります。
水性は習得本能ですが、
何かを学ぶ、教えを受けるということをするなら、
智徳＝正しい道理を踏まえて学ばなければ、その知恵によって転ぶこともあるわけです。
…書いてしまえば当たり前のことなのですが、
何かをするときには、自分が「正しい在り方」でもってそれをする、
そう在りたい、と思える相手こそが、
自らを磨き、あるいは自らの存在を際立たしめてくれる相手である、
…という認識はとても大切で、
「正しい在り方」ではなく接している相手というのは、
自らの濁らせることになるのではないか、
と、そんなことを考えました。
なぜ、そんなことを考えたかというと、
知り合いの方から、
日頃からお手伝いしたり応援したりしていた人に、ソデにされたという相談を受けて、
軽く扱う、利用するような人なら、
そこはきっぱり毅然として身を退くべきだということを伝えた際に、
「そうはいっても自分がいなくなったら相手が困るのでは？」
…という心配をされていて、
けれど私としては、
「離れたほうが、相手のためにもなるでしょう」
…ということを伝えたく、
それをどう伝えるべきかあれこれ考えた先に、上記のような考えに至った次第。
緩慢に、
いろんな人と、適当な人間関係をつくっていると、
だんだんと、
適切な徳目の発揮なしに各本能の発揮をしてしまうようになるものですが、
そうすると、自分自身が濁っていきます。
実はこれは、最近私自身が感じていることでもあるのですが、
そういうことに気づいたら、
きちんと広げ過ぎた人間関係の整理をする、
きちんと正しい在り方をもって人間関係をつくる、
…ということに立ち戻る必要があるのだろうと思います。
⭐︎2021年12月二週目公開分のマガジンです🌹
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11/9 天中殺の消化に及ぼす位相法変化の影響、継承運の天中殺に日座・日居の天中殺がある理由
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