算命学においてよく使われる言葉で、
算命学をそれなりに学んでいる方でも誤解されている方、理解されていないケースがある言葉として、
「矛盾」というのがあります。
この「矛盾」という言葉は一般的に、
「物事の筋道や道理が合わないこと、つじつまが合わないこと、一貫性が無いこと」
…を指し、
算命学でも同じ意味で使われているのですが、
なぜか「矛盾」という言葉の意味を取り違える方が一定数おられます。
なぜかな?
…なんとなく疑問に持ち続けている中で、
昨日、当たり前と思っていた「不安定」という言葉の意味がまるで伝わらない、
…という事態に遭遇して、ハタと気づいたのですが、
多分、
「算命学(東洋思想)が捉えている在るべき世界の姿」
「算命学(東洋思想)が目指す理想的な世界の姿」
=自然の本来の姿
…というものの確たる理解が不十分である場合、
この「矛盾」とか「不安定」とかいう言葉の意味を理解することが難しいのかもしれません。
算命学でいうところの「矛盾」とは何かといえば、
「算命学の理論に合わないこと」
「命式の要素おいて一貫性がないこと」
…を指します。
例えば、
「算命学の理論に合わないこと」とは、
本来の自然の姿と不一致であること、
具体的には、人体星図において東方は相剋であることが自然であるが、
それが比和や相生である場合、それは一つの「矛盾」といえます。
比和であれば小さな矛盾、相生であれば大きな矛盾、ともいいます。
あるいは、
「命式の要素おいて一貫性がないこと」とは、
命式において一貫性を欠く要素が共存していること、またはその一貫性を欠く要素をもって「矛盾」といい、
具体的には、
子丑天中殺という初代運でありながら、継承運的要素、例えば天庫星があるとか、
午未天中殺という継承運でありながら、日干が月支に剋されているとか、
そういうエネルギーの流れ的に相反する状態があることを指すのですが、
「矛盾=相違」と短絡的に理解されている方が少なからずいるように思います。
このあたりは、
「矛盾」を理解するには、
その前提として、
広範にわたる「算命学の理論」の理解、
そもそもの「命式の要素おいて一貫性がない」とはどういうことか?の理解が必要であり、
その理解が不十分である場合、その「矛盾」が理解できなくても仕方ないかな?という気もいたします。
なお「矛盾」がある場合、
自分の中で相反する欲求が生まれた先に生き方に迷うとか、
うまくいくはずの道を敢えて避けるような生き方に向かうとか、
そういう傾向が出てくるために、
宿命的な手当、いわゆる「運命の改良」が必要となります。
「不安定」のほうはどうかといえば、
この言葉は一般的に、
「一定状態が保たれにくく、すわりが悪いこと。釣り合いを失って崩れ動きそうな状態。」
…を指し、
算命学でも同様の意味で使われているのですが、
多くの人は「不安定」というのを、
平均台でバランスが取れない姿とか、
ガタガタ椅子が動く様子などを想像するようで、
その結果、
「不安定」なら安定させれば良いのでは?とか、
「不安定」なら慎重に進めば良いのでは?とか考えるようです。
ただ、算命学における「不安定」というのは、
時間と空間における「不安定」であり、
時間と空間の不安定感の是正というのは、
宇宙にロケットを飛ばすことの難しさのような「制御不能」をもって「不安定」といっているので、
人為的に安定させるとか、慎重にとかいう考えは、
まるで埒外のことといえます。
では、具体的にその「不安定」とはどういう現象なのかといえば、
例えば、
中殺された十大主星は「不安定」な性質の発揮となりますが、
玉堂星が中殺されて不安定になると、
「ものすごく知性に優れ、たいへんな合理主義的な生き方」に向かうか、
「まるで知性のカケラもない、まるで合理性を感じられない生き方」に向かうか、
そんなふうな両極端な発揮となり、
その両極端の現象を制御することが出来ないような在り方となります。
あるいは、本日noteのほうに書いたのですが、いわゆる凖天中殺のような天干と地支がともに乱れる位相法も「不安定」な現象を引き起こすもの。
なお、ではその「不安定」が悪いものなのかといえば、
異常干支というのも「不安定」な存在ですが、
その「不安定」であることにこそ存在意義があり、
安定してしまえば「決して捉えることができないもの」を、
不安定であれば捉えることができることもあります。
さて、これは一つの角度からの「矛盾」や「不安定」の説明ですが、
これがすべてではありません。
とはいえ、
こうした時間と空間の認識・理解、
天干と地支の本日の認識・理解というのは、
臨位・歳位まで勉強しました、という方でも「分からない」とおっしゃる方もけっこういて、
感覚としては立体思考がベースにある龍高星があって、かつそれなりに勉強している人でないと理解しにくいようにも思いますので、
ここで「分かりません」という方も、
そういった「分からない」という状態でひとまず学びを進めてみると良いのではないかと思います。