行動力、という言葉があります。
けっこう簡単に使われる言葉ですが、
真の行動力、
効果的で持続的な行動力を発揮するには、
想念の蓄積が必要と算命学では説かれます。
蓄積される想念とは理想か不満です。
例えば、
社会において一つの世界を築く、
一時代を築こうとするなら、
社会と自分自身に対する理想か不満を大いに蓄積する必要があり、
経済力を築こうとするなら経済力と自分に対する理想か不満を、
権威者になるなら、権威者と自分に対する理想か不満を抱くことです。
対象に、
常に自分が含まれるこれは、
理想や不満を抱くことによる葛藤が常に自らの内にあることで、
それが絶え間ない蓄積となるためです。
蓄積の分だけ行動できる、
行動は蓄積に支えられている、
蓄積によって、真の行動へと到達します。
なお、
不安感からの行動は人生の目的のために前進するという力が少なく、
目的を持たないまま動く恐れがあるため真の行動とはいいません。
また、
会社の社命や誰かの命令による行動は、それに逆らった時の不安感と、成功した時の自負の喜びとが交差する行動となり、これを算命学では「刻行」と呼びますが、そこに想念の蓄積も自らの目的もないという点で真の行動とはいいません。
この裏にある仕組みは、
想念の蓄積が司禄星であり、
その蓄積が車騎星(=行動)を生む、
(=金生土)となり、その後玉堂星に向かうべきところを、
不安感(=調舒星)へ進めば火剋金となって相剋、
自負心名誉心(=牽牛星)へ進めば陽から陰へ転じることとなる、ということです。
ことの成功は、
そこで気・心・体の一致が必要で、
真の行動(=車騎星)は、蓄積(=司禄星)に支えられて正当な知性(=玉堂星)に向かう必要があります。
よって人に何かを命令する、依頼する場合において、それを成功させるためには、
相手の中にその想念の蓄積がしっかりあるかどうかを見極める必要がある、ということでもあります。
想念の蓄積が大きい人は、
命令から行動までの時間が短くても、
心の動揺がなく安定した形で行動を実現することができます。
しかし、日頃の過ごし方の中で想念の蓄積の少ない人は、命令から行動までの間に、行動の原因である気が熟す時間を必要とします。
この気(=蓄積=司禄星)・心(=行動=車騎星)・体(=正統な知性=玉堂星)の原理の一致のあるところでのみ、真の行動力は発揮されます。
参考:『原典算命学体系』第4巻