昨日、「すぐやる」ということが実現力や牽引力をつくるお話について書きました。
「すぐやる」ことが大事。
…けれど、それが分かっていても、
どうにもすぐやる気にならないことや、
すぐやるにしても、魂がこもらないような上っ面のことに終始して、
結局、継続できず、実現できず…というケースはあちこちに転がっています。
「魂がこもらないような上っ面のこと」
…というのは、
例えば大々的に自分語りをしながら、
形式的・対外的・外形的なことばかりに終始しているようなケースのことを言っています。
「すぐやる」ことが実現力や牽引力を持つのは、
そういうケースではない、
本質的な意味で、「世の中のため」という思いの先に行動を起こすケースで、
いってみれば、
使命感のようなものに突き動かされた「すぐやること」にこそ、
壮大な実現力や牽引力が宿るのではないか。
この「使命感のようなもの」について説明するのに、ちょっと長い引用をします。
海外ドラマ『マダム・セクレタリー』において、
国務長官のスピーチライターであるマットが、
急遽、国務長官の代理として大学の卒業式でスピーチをすることになったときのそのスピーチです。
・・・・・
僕がスポットライトを浴びるのは、これが初めてだ。
そしておそらく、最後になるだろう。
なぜか?
なぜなら、僕はいわゆる「裏方」だからだ。
誰もが執拗な自己PRに必死のこの時代、
脚光を浴びることだけが唯一の価値ある探求であるように思える。
だけど、実際は違う。
僕が今日、君たちに、社会のささやかな真実を教えられるとしたらこれだ。
「達成」というものは、多くの場合匿名だ。
偉大な功績が、名前を聞いたことがないような人たちによって成し遂げられてきた。
彼らは、誰に褒められることもなく、まして喧伝することなく、
世の中を良くするために、自らの命をかけてきた人たちだ。
・・・・・
お分かりになりますでしょうか。
達成や成功というのは秘密裡に成し遂げられ、
注目され、偉人として名を成すのはその後のことなのだということです。
もちろん、こうした言葉は、マットが国務長官に仕える公職にあるからこそである、という見方もあるでしょうが、
世間を見回せば、公職にあって自己PRに余念のない人たちというのもたくさんいて、
公職以外の自己PRの先に抜け道を探し、わずかなお金を稼ごうときゅうきゅうとしている人たちすらおられます。
そう考えれば、結局、どういう職業・身分にあるかにかかわらず、
何かに突き動かされ、命を懸けてその達成に邁進する姿、
名を売ることよりも大切な何かを心の中に備えている、
そういうことこそが「使命感」であり、そういう使命感こそが、
実現力や牽引力につながっていくのではないか、と思いますがどうでしょう。
ちなみに、
マットもシーズン1では「自分の名を売る」「自分が有名になる」という誘惑にかられたことがあります。
けれど、公職の本質を説かれてハッとします。
そして、シーズン2の最終話において上記のスピーチをして、その成長を感じさせました。
自己PRがダメだというお話ではありません。
東方というのは「世の中」に向かうためのドアであるわけですが、
そのドアを開くためには自己PRも大切です。
但し、東方というのは「若年期」の場所であり、
つまり、自己PRに余念がないというそういう人は、
未熟にしてまだまだホンモノではないということでもあります。
例えばこれは、
過度に割引をして集客をするレストランが、本質的な意味で美味しくはないこと、
過度に宣伝をする美容院というのが、固定客のあまりいないイマイチな美容院であることに通じるお話です。
2022年4月二週目公開分🌸
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