「テンペランス」とは、タロットカードの14番、「節制」を意味します。
「節制」というと、算命学的には不慣れな言葉なのですが、
実はこの「テンペランス」は「中庸」を意味するカードでもあり、
東洋思想の担い手がタロットカードを選ぶなら、このテンペランスを最上とするのだろうと思います。
「中庸」というとやわらかげな印象を持つ人がけっこういて、
なんていうか、
イソップ寓話の『卑怯なコウモリ』的などっちつかずなことを許容するように捉えている人がいるのですが、
本来、「中庸」というのは、このタロットカードにあるような「節制」に近い、
「コントロールの先にあるバランス」であり、
ある意味では、スイスが永世中立国という立場を維持するために要している努力と同じような努力を要するものなのだろうと思います。
筋トレなども、「勢い」で動かすのと、「コントロールして」動かすのとでは、
まるで効果が異なるもので、効果的にして洗練されているのは当然「コントロールされた筋トレ」のほう。
生き方というのも、「自分の歩むべき道」というものを軸として、
それを過剰にアピールしたり、過剰に卑下したりすることのない、
あるいは、過剰に誰かを頼ったり、過剰に自主独立で突き進んだりしない、
「節度のある生き方」をもって「中庸の生き方」ということになり、
そういう生き方が、穏当にして実りある人生、中庸の人生ということになるのだろうと思います。
そしてそういう生き方というのは、『卑怯なコウモリ』とは真逆の生き方ともいえます。
さて、そういう生き方を実現できるかどうかを命式で判断することができるのかといえば、
「簡単に捉えるなら」
五行がそろっていればバランス型、偏りがあればアンバランス型なので、
五行がそろっている人のほうが中庸に近いといえるわけですが、
「より精緻に捉えるなら」
命式における様々な要素や、後天運の影響などを総合的に見ていく必要があります。
算命学の知識というのは、かなりの情報がネットに転がっているのですが、
そのほとんどが、「簡単に捉えるなら」の情報であるように思います。
「より精緻に捉えるなら」のほうは、
そういうネットに転がっている知識ももちろん使いますが、
それを蓄積し、構造を知り、組み合わせて使っていく必要があり、
そのためには、様々に事例を織り交ぜながら、多角的に捉えるという視点を身に着ける必要があります。
先日、noteのサークルにご参加くださっている方の個別の質問を承っていたときに、
「算命学は、知識を蓄積する学問ではなく、知識を組み合わせる学問ですね」
…というご指摘があったのですが、
まさにそのとおりで、noteのほうでは、
単体の知識に加え、そういう「知識や占技を組み合わせて物事を捉えていく」という見方について書いています。
いってみれば、
「平面的理解から、立体的理解へ」ということに取り組んでいる、ということで、
ふだんまわりにいる人というのも、
表面的に見える姿と、
その背景にある経験や関係を踏まえた実際のその人というのが異なるように、
算命学というのも「要素単体」で分かることと、
その「要素」が組み合わされて分かること、
あるいはその「要素」が大運などの後天運を経て変化して分かること、
…というのがあり、
こうしてみると、算命学はつくづく蓄積の学問であり、立体的な学問であるな、と思います。
これは例えば、
天将星が乞食にもなる星である、というのはあちこちに書かれますが、
天貴星の素直さが捻じれるとか、
天印星がはた迷惑にもなり得るとか、
天恍星が風俗にも身を落とすとか、
天報星がとんでもないことをしでかすとか、
…そういうことは、あまり書かれないけれど、
身を置く環境や後天運によってはそういうこともあり得るというお話で、
こうしたことは、
世の中の子供(天貴星の時期)がすべて天真爛漫ではないこと、
世の中の赤ちゃん(天印星の時期)がすべて可愛いばかりではないこと、
世の中の思春期の子供(天恍星の時期)がすべてキラキラはしないこと、
世の中の胎児(天報星の時期)がすべて健やかに成長するばかりではないこと、
…を認識していれば、分かるところと思います。
もちろん、子供をして「ひどい子供だ」などと公開で指摘することなどできないので、
公開で書いている方もいませんが、
世の中を見回せば、何事も「良い面」だけでないことは明らかで、
学びを深めるにあたっては、そういう難しい面も直視して取り組む必要があります。
そして、それを可能にするのが、
「勝手に思い込まない」「勝手に決めつけない」ということを可能にする「中庸」であり「節制」であるのだろうと思います。
⭐︎4月五週目のマガジンを公開しました🌷
https://note.com/kinugyokutoan/m/mdada03951aa0
3/29 小林麻耶さんの最近の「少しおかしな言動」の算命学的背景
https://note.com/kinugyokutoan/n/n3589c4df9a5f
3/24 天剋地冲という完全破壊のエネルギーがもたらす消耗と身内・親族・人間関係への影響
https://note.com/kinugyokutoan/n/nee4473e7da13
3/30 土性特有の難しさ、土性を発揮するために要する時間とその方法
https://note.com/kinugyokutoan/n/n07b43a73cfd4
3/22 人生においてアクセルを踏むべき時期・ブレーキを踏むべき時期、位相法・天中殺・大きな接運など
https://note.com/kinugyokutoan/n/nf578fccc0cce
3/11 命式詳解③ 陽占を読むときのポイントと誤解の多い「晩年期天将星」の生き方
https://note.com/kinugyokutoan/n/n8109115cdf51
3/3 夫のエネルギーを喰う妻のパターンと構造②「 丙午」は迷信ではない説明と干支の構造
https://note.com/kinugyokutoan/n/nf8308e1149c6
2/28 家系・家族のエネルギーと「子供の受験」の関係、想定外の合格を手にする家族の在り方
https://note.com/kinugyokutoan/n/n670428196ea4?magazine_key=mf98e727bc087
2/18 酉月仲秋の癸水、なぜ秋篠宮家のお子様は学習院ではない学校に向かわれるのか?
https://note.com/kinugyokutoan/n/nc19656469069?magazine_key=m27bf2dd9536b
1/27 ちょっと深い天中殺の仕組みと構造、「天の助けが得られない」ということの意味
https://note.com/kinugyokutoan/n/na7ba8c0e71aa?magazine_key=m351c585f101b
⭐︎「東方の星と南方の星の組み合わせ(全パターンあり)」を中心に、
「適職」や「出世」に関する投稿を「適職に関する投稿のまとめ」としてマガジンにしました📚
https://note.com/kinugyokutoan/m/m0b5d9b4bbd45
⭐︎サークルはこちら:https://note.com/kinugyokutoan/circle
月額5000円です🌿毎日3,000文字以上、毎月90,000文字以上更新中📖
⭐︎各天中殺の生き方について、
知っておくべき基本的な内容の記事をまとめました🌿
重陽の日のお祝い価格、3333円です。
https://note.com/kinugyokutoan/m/mfa6bb7348d9a
⭐︎マガジン統合版
○2020年5月のマガジン
https://note.com/kinugyokutoan/m/ma8ab308f3ccb
○2021年8月公開のマガジン🌹想定法など
https://note.com/kinugyokutoan/m/m389e8a4eaf03
○2021年9月公開のマガジン🌷いろいろなこと
https://note.com/kinugyokutoan/m/m061887485359
※マガジンは2020年4月〜2021年9月まであります(2022年3月現在)
天中殺、適職等のまとめマガジンと重複している部分もある点にご留意くださいませ。
2017年の今日は易経を読んでいました🌷