金烏玉兎庵

「気」の正確さと歴史の話

Photo by 五玄土 ORIENTO on Unsplash

Photo by 五玄土 ORIENTO on Unsplash

「気の動き」などというと、なんとなく、
「不確かで曖昧な捉えどころのないもの」
という捉え方をされることが多いのですが、

実際には、
太陽が1日で地球をめぐるその正確さ、
木星が12年で太陽をめぐるその正確さ、
あるいは、
満ち引きのリズムの正確さ、
トウモロコシの種からはトウモロコシができる正確さ、
水の沸点は100度であるその正確さ、
などと同じ正確さをもって日毎月毎年毎に、五行の気は巡っています。

 

そして、
赤色と青色を混ぜたら紫色になる必然、
虎🐅が鹿🦌を捕食する必然、
動植物が死ぬことによって土に還る必然と同じ必然性をもって、
動的な作用をもたらします。

 

人間の感情には揺らぎがあり、
人間の判断は恣意性があることもありますが、
自然のリズム、自然の運行というのは、
厳格なまでの精緻さがあり、
厳然とした法則性があります。
よって、それをもって「非情である」と言われたりします。

 

このことを言い換えれば、
自然の法則を無視した生き方は、大海に漂う小舟のような人生行路となり、
一方で、
自然の法則に身を委ねる生き方は、安心立命につながるということです。

 

算命学の元となる自然の法則の捉え方、
陰陽五行の作用と仕組みについては、
今から3800年前、殷の時代に確立しました。
これは、五行の気の作用が曖昧なものではなく、確固としたものであったことの証左です。
曖昧模糊としたものは、そんなに長く歴史を超えてくることはできません。

 

「十干十二支」という、
十干は空間を分類したものです。
大気中には、五つの惑星のエネルギーが充満し、人間の精神と肉体に影響を及ぼしています。
十二支は時間を分類したもので、
12は木星が太陽をめぐる周期が12年であることからきた数字です。
この12の数字は木星が有史以来めぐり続けているように、終わりも始まりもない回転運動です。
アジアにおける古来からの時間感覚が円環的なものであるのは十二支の時間が回り続けることに寄ります。

 

冒頭の「気」の話に戻ると、
十干十二支、干支で示されるのは、
その空間と時間における気の構成です。
年、月、日、そして大運の10年ごとのタイミングで空間と時間の気がそれぞれ螺旋のように変わっていき、
その時々を支配する気の構成が、太陽が朝昇って夜に沈む正確さをもって発現しています。

 

十干十二支は、世界が空間と時間で成り立っているということを示しています。
このことは、現代物理学における世界の捉え方と同じであり、
こうしたことが、3800年も前にすでに発見され、確立された考え方としてあったことに驚くとともに、その体系化された学問たる算命学に脅威を感じるどころでもあります。

モバイルバージョンを終了