金烏玉兎庵

易経にみる姿勢と人間関係の型

Photo by 五玄土 ORIENTO on Unsplash

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算命学を含め、東洋思想の大元には易経があります。
『変化の書』といわれる易経は、森羅万象の変化の法則を記した書で、
東洋思想を学ぶ人のみならず、
世界中の人たちに学ばれ、
ビジネスの世界でも経営層にあるような人たちにその信奉者が多いといわれます。

 

易経における変化の法則は、
簡単に言えば、「吉・凶・悔・吝(きちきょうかいりん)」の言葉に象徴されます。

 

その流れは、吉→吝→凶→悔 となり、

吉は陽、モノゴトが良い時期、
吝は陰の兆し、良いことに驕って過剰になり、
凶は陰、モノゴトが悪い時期、
悔は陽の兆し、悪いことの中で反省し謙虚になり陽に向かいます。

 

算命学でいうところの天将星が強すぎて乞食と紙一重であるように、
吉は良い時期ではあるけれど、そこには陰の兆しに向かう気配があるため、
本質的な意味で最も良いのは「悔」の状態です。

これは、
常に自らを省みて行いを正す姿勢であり、
中庸に通じる姿勢であるといえます。

 

とはいえ、
世の中の様々な環境のなかで自分が果たすべき役割、その組織の中で自分が期待されている役割、というものもあり、
「常に」省みて控えめにあれば良いというわけでもありません。

 

そもそもですが、
中庸とは「不変のあり方」ではなく、
「普遍のあり方」です。

易経には、その普遍のあり方の型があります。

易経は六十四の卦と呼ばれる爻(線と破線)の組み合わせで世の中の仕組みを説いているわけですが、
その中で最も正しい組み合わせの卦は水火既済と呼ばれる卦です。

 

卦を構成する六本の爻は、
一番下から初爻、二爻、三爻、四爻、後爻、上爻(六本目は一番上なので「上爻」)といい、
奇数の爻は陽(直線)が正しく、
偶数の爻は陰(破線)が正しいとされます。

卦は一つの物語をそれぞれ示しているのですが、
それを構成する六本の爻はその登場人物といえます。

 

例えば、
会社でいえば、
初爻は平社員、二爻は課長、三爻は部長、四爻は取締役、五爻は社長、六爻は会長です。
国家でいえば、
初爻は市民、二爻は市長、三爻は知事、四爻は大臣、五爻は総理、六爻は議会です。

 

この型を自分の置かれた立場に置き換えて考えることで、在り方の参考にすることができます。

 

以上はざっくりとした易における卦と爻のお話ですが、
当然、本来あるべき姿勢ではない卦や爻の姿というのもあり、その型が六十四パターン記されているのが易経です。
知っておくと、いろんな局面に応用できます。

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