就職活動における指南書とか、
自己実現に向けたモノの本などを読むと、
「壮大なビジョンを持ちましょう」
ということが言われたりしますが、
実は壮大なビジョンを持つことが向く人と向かない人がいます。
壮大なビジョンを持ったはいいけど、壮大すぎて、現実に落とし込めないタイプの人、というのもいたりします。
感覚ですが、
本当に壮大なビジネスを創業し、
それを確実にカタチにしていく場合、
壮大なビジョンと現実的な思考のバランスは多分、1:2くらいが丁度良いんじゃないかな、と思います。
例えば、
堀江貴文さん
楽天の三木谷浩史社長、
ソフトバンクの孫正義社長、
ユニクロの柳井正社長、
アパホテルの元谷社長夫妻(お2人とも)
これらの大実業家は、いずれもその壮大なビジョンと現実的な思考のバランスが1:2の人たちです。
ちなみに、
先日、残念ながら和解に至らなかった大塚家具のお父さんの方は1:2のバランスですが、
久美子社長の方は、壮大なビジョン100%の人。
語るビジョンは美しく、当初の親子バトルにおいては多くの投資家の共感を得られたものの、
現実にはカタチにすることに難航しているのは、そのあたりにも理由があるかもしれません。
実業家の仕事というのは、
華々しくビジョンを語る部分ばかりが見えますが、
実際にはそのビジョンを現実化するための実務の部分がかなりあります。
よって、ビジョンばかり持っていても、空中分解しがち。
壮大なビジョン100%の人は例えば企画屋とかマーケティング屋のほうが向きます。
これはどこで見るかといえば、
陰占の十干で見ます。
陰占における十干は精神を示します。
考え方や志向など、現実の行動に現れる前の心の姿です。
十干のうち、陽の干は壮大なビジョン、
十干のうち、陰の干は現実的な思考です。
具体的には、
甲、丙、戊、庚、壬が陽の干、
乙、丁、己、辛、癸が陰の干です。
陽の干は神様の住む場所を示し、
陰の干は人間の住む場所を示しますが、
陽の干は、神様のような宇宙規模の世界観でものを考え、
陰の干は、人間の生活に密着した、身の回りの世界と整合するものの考え方をします。
陰占なので潜在的、無意識にその傾向がある、ということであって、
現実生活におけるその人の役割がそれで決まるわけではありません。
また、
陽の干がいつも壮大なことに思いを馳せているわけでも、
陰の干がいつも現実的なことで頭がいっぱいだというわけでもありません。
ただ、
ものを考える天性の枠組みにそのような傾向があります、ということです。
壮大な方がカッコ良さげに見えますが、
壮大なばかりでは夢に遊ぶ夢想家に成り果てたりしますし、
現実的な思考の積み重ねの先で壮大な何かにたどり着くこともあるので、
どちらが良いとか悪いということはありません。
あくまで個性としてそういう性質があるというだけです。
但し、
仕事を決めるとか、
専門を決めるとかいうときは、
こうした自分の個性を知っておくと、
無駄なことをしなくて良いかもしれないな、と思います。
冒頭の話に戻りますが、
「壮大なビジョンを持ちましょう」
と十把一絡げに説くのは誤りで、
個性に応じたビジョンの持ち方があります。
その個性を知るべきかは別にして、
みんながみんな、
「壮大なビジョンを持つ」必要はない、ということは知っておくと良いだろうと思います。