金烏玉兎庵

堀文子さんの出世の秘密、宿命中殺なく出世する人

Photo by 五玄土 ORIENTO on Unsplash

Photo by 五玄土 ORIENTO on Unsplash

昨日、あまりの怠さにソファに横になりつつ、
なんとなく心もとなくて
徹子の部屋」を観ていましたら、
壇ふみさんの回で、
壇ふみさんの絵画の師匠で黒柳徹子さんとも親交のあった堀文子さんという女流画家のお話をしておられました。

 

堀文子さんは、
大正生まれ、若くして上村松園賞を受賞、イタリア・ボローニャの国際絵本原画展でグラフィック賞を受賞された女流画家で、
41歳で旦那様と死別した後はヨーロッパやメキシコを旅して、旅を創造の起源とし、
69歳でイタリア・トスカーナ地方にアトリエを構え、80歳を過ぎてヒマラヤ山麓を訪れて描いた幻の高山植物ブルーポピーはその代表作。
厳しい岩場で咲く孤高の青い花に自らの姿を見たと言われます。

 

壇ふみさんが、その堀文子さんの言葉として紹介していたのが
「群れる、頼る、慣れるはだめ、
群れたり頼ったり慣れたりしていては出世できない」
というもの。

 

「出世」というと今の時代、
会社で偉くなるとか昇格するとかいう意味に捉えられがちですが、
おそらく堀文子さんの「出世」の意味は、文字通り「世に出る」ということであっただろうと思います。

 

世に出る、
自分の名で生きる、
ということを志向する場合、
群れたり、頼ったり、慣れたりしていてはダメ。
という意味なんだろうな、と思いました。

 

兎角日本はムラ社会で、
群れたり頼ったり慣れたりすることで穏便に生きていける社会なわけですが、
そんな中にあって、
群れたり、頼ったり、慣れたりしない、
その堀文子さんの姿勢は、まさにヒマラヤの青いポピーに重なったのだとか。

 

ヒマラヤの青いポピーは群生することなくポツリポツリと散在し、
その姿は棘だらけだそう。
茎はもちろん、葉っぱの裏まで刺々しい棘に覆われているといわれます。

花言葉は、
「憩い」「深い魅力」「神秘的」「果てない魅力をたたえる」。

ちょっと心に響くお話でした。

 

ちなみに、
なんとなくいかにも宿命中殺がありそうな人だな、と思ったのですがそうではありませんでした。
このところ、宿命中殺のない「世に出た人」について考えています。

モバイルバージョンを終了