「写経」と中庸

kinugyokutoan

2年前

このところ、あれこれ立て込んでいるのですが、
そんな中、
生涯で15回目くらいの「写経」に挑戦しています。

写しているのは般若心経。

これまで、
ペンで書いたり筆で書いたり、縦書きで写したり横書きで写したり、
…いろいろやってきましたが､いまだに覚えられておらず、
今回も、覚えられるかわかりませんが、ひとまず｢写す」ことに集中しています。

ちょっと不穏なとき、
余計なことをしてしまいそうなときなどは、
他人との関わりを避けて、自分の世界に入るのが良いのですが、

「一人で映画を見る」とか「一人で本を読む」とかよりも、
自分が「整う」感じがするのが、写経です｡

「手を動かす」ことと意識が同調して、落ち着くのかな？

本を読みながら、心に響く文言に出会ったらそれをノートに書き写すのも、
「手を動かす」という意味では同じなのですが、

写すのが本の文言だと、メッセージ性が強すぎて意識の中立性が損なわれ、
無駄に勢いづいて変な方向に向かうこともあるので、お勧めしません。

「何が書いてあるのか、はっきりとはわからないもの」
「意味が曖昧なもの」
…を写すのが良いです。

その意味でいえば、万葉集の和歌を写すというのもけっこう好きです。

意味が明確ではないものを書き写していると、
思考の中立性の先に、
その言葉の字面や音をとおして、自由な発想が広がります。

たとえば、
算命学に関することで棚上げしていた問いの理解なども、ふと頭に浮かんだりしますし、
懸案だったことの解決法が浮かんだりもします。

本来、「写経」というのはもっと集中して無心で取り組むべきものなのかもしれませんが、
写経を通じて実現する「意識の中立状態」というのは、

最も適切な判断につながる情報を、
精度高く受け取ることが出来る「最高の受信体」のようなもので、

何か問いをもって取り組むと、
どこからともなく回答を得ることができます。

なお「意識の中立状態」というのは陰陽の中間にある極、
つまり一極二元における「一極」の視点・立ち位置＝中庸の立ち位置であるといえますが、

写経などに取り組まずとも、
両極を常に意識して中庸の意識状態を実現できていれば、同様の作用効果を得ることが出来ます。

なぜかといえば、
何事かに「肩入れ」していない状態、
自分の考えに「偏り」がない状態において人間は、
自然と、最も適切な判断をすることができるものだからです。

とはいえ人間というのは、どうしても自分の考えに執着することの先に、
偏りが生じ､中庸から外れてしまいます。

投資などもそうですね。

…自分が投資していなければ、キッパリと適切な判断ができますけれど、
自分が投資していると、どうしても判断が甘くなります笑

あるいは、
自由に、自分らしさを維持できていれば（＝自分らしさのど真ん中、中庸であれば）中立なら)怒らないようなところで、

誰かに急かされたり、
何かに追い立てられたりしていると、
＝エネルギーが偏っていると、

激しく怒ってしまって、適切な在り方を実現できない、
…ということもありますね。

と、これは車騎星・牽牛星がたくさんある場合のお話ですが、
そういうことを回避するのにも、写経は有効です。

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