金烏玉兎庵

エリザベス女王の他界と「役割」についての雑感

Photo by 五玄土 ORIENTO on Unsplash

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英国の女王エリザベス2世が8日、他界されました。

在位70年7ヵ月は、同国では歴代最長だそうですが、
こういう「在位最長記録」というのは、
ときに命と引き換えになることもありますね。

タイのプミポン国王も、
2016年6月9日に在位 70年を迎え、同国における歴代最長の在位年数となられてから間もなく他界されました。

もっとも、70年という長い期間の在位を実現するということは、
当然に、高齢であるわけで、

こうした数少ない事例をもって、
「在位最長記録が命と引き換えにもなる」
…などと断じることは、軽慮の誹りを免れないな、とも思うのですが、

安倍元首相が総理大臣在位最長記録更新されて間もなく他界されたことや、

多少、在位記録とは色合いが異なるものの、
重要な意味のある書籍を出版された人物がその出版直後に他界することがあることや、
世界を変え、席巻し、けん引してきたような人物がその道筋をつけた直後に他界することがあること、

…を考えれば、やはりそういう「記録」というのは、
その人物にその「記録」を出す役割があり、
その役割を終えたことで他界する、という捉え方も、
あながち的外れではないだろうと思いますがどうでしょう。

なお、重要な意味のある書籍を出版されて他界された人物というのは、高尾宗家を、
世界を変え、席巻し、けん引し、道筋をつけて他界された人物というのはスティーブ・ジョブズのことを思い浮かべて書いています。

人間には「役割」 があります。

「最長」の記録を作るという「役割」もあれば、
「発見」という記録を作るという「役割」もありますし、
あるいは大きなスケールにおいて「犠牲」という 「役割」もあったりします。

なかでも「最長」の記録というのは、
実はそこに神の意志が働いているといわれます。

というのも、
王室や皇室の継承という万世一系を実現する場合や、
政権の長期存続を実現しようという場合などは、
定期的に「長期の在位期間」を実現するトップの登場が不可欠で、

さらにいえば、その「在位期間の記録」が伸びていく、
それが、そもそもの万世一系の存続や、長期政権の持続につながる、
…というのがモノの仕組みだからです。

これはつまり、
在位記録が更新されれば、
その皇統や政権というのは、しばらく安泰であるということでもあり、

それを別の角度からいえば、
最長記録の実現というのは、神の意志にかかっているのだといえるのです。

そう考えると、「最長記録」には尊い意味があることが分かりますね。

ちなみに、
日本の天皇で在位期間が最長なのは昭和天皇の62年、次いで明治天皇の45年ですが、
明治維新や敗戦という、国家存亡の危機における天皇の在位期間が、その長さの1番と2番を占めるということには、
国家を揺るがす大混乱に動じることなく皇統を存続させようという神の意志が感じられませんか。

なお、「役割」というのは、その期間が長いものばかりではありません。

例えば、
昔の人は、大規模建造物(築城・架橋・堤防工事など)の完成を祈って、「人柱を立てる」ということをしましたが、その「人柱」も、ひとつの「役割」です。

「人柱」などというと、ひどく前近代的なようですが、
今なお、大規模建造物の工事においては何人かの人が命を落とされていますし、
歌舞伎座の建て替えにおける「人柱」のお話などは有名です。

期間の長い役割であろうと、
期間の短い役割であろうと、

目立つ、他人から賞賛を受けるような役割であろうと、
目立たない、あるいは他人には評価されない役割であろうと、

「役割」というのは、
他人から見てそれが良いとか悪いとか判断できるものではなく、
その役割を自覚した自分にしか分からないものです。

その意味で、
人が取り組んでいるその「役割」、
人が全うしたその 「役割」 に対して、他人がいえることはなに一つありません。

逆に言えば、これが自分の「役割」だと感じるものがあれば、
それはその感覚を信じて突き進むのがよいのだろうと思います。

自分の役目を自覚し、それが正しい道ならば、
神様の助けがあるので、その役割の自覚はどんどん強まるようになっています。

他人からは分からなくても。

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