金烏玉兎庵

はみ出し運 辰巳天中殺と戊亥天中殺

Photo by 五玄土 ORIENTO on Unsplash

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辰巳天中殺と戊亥天中殺は同じ「はみ出し運」の人ですが、精神構造は真逆です。

 

辰巳天中殺が有形のものに価値を置き、現実的な利害に敏感で、体験を積み重ねることによって人生を切り開くのに対し、
戊亥天中殺は無形のものに価値を見出し、精神的なものに向かい、思考することによって人生を捉えていきます。

 

例えば100万円の現金と貴重な哲学書があったとき、
辰巳天中殺の人は100万円を、
戊亥天中殺の人は哲学書を迷わず選びます。
何か問題が起こったとき、
辰巳天中殺の人はまず行動を起こすのに対し、
戊亥天中殺の人はまず考えることから入ります。

 

別に、
辰巳天中殺の人が本を読まないわけでも、
戊亥天中殺の人がお金に興味がないわけでもありません。
ぐぐって出てくる情報には、
辰巳天中殺は精神虚、
戊亥天中殺は現実虚とありますが、
これは、
辰巳天中殺のモチベーションの元が現実的なものにあり、
戊亥天中殺のモチベーションの元が精神的なものである、ということです。

 

前に、
命式や星図にある相剋の組み合わせ、
葛藤を生む局などの現象は、
切羽詰まったときや追い詰められたときに顕在化する(本性が現れる)と書きましたが、
天中殺の性質も、根源的な性質がその性質であるということであって、
あらゆる行動がその天中殺の性質に寄るわけではない、
ということです。

 

よって、
先に挙げた現金100万円と哲学書の例において、
例えば精神修行の費用に100万円が必要なら戊亥天中殺も100万円を選びますし、
哲学書がそれを展示することで多くの集客が見込めるなら、辰巳天中殺も哲学書を選んだりします。

 

「はみ出し運」ということについて、
これは家系の流れから外れるという意味、家系の流れからはみ出して大成する、という意味なのですが、
戊亥天中殺は思考から新たな世界を一から創り上げる初代運的なはみ出し運、
親兄弟や友人に頼ると運を落とす運の型であるのに対し、
辰巳天中殺は、現実に親兄弟や友人が作った家族(家系)や組織とは別の、独特のオリジナルの分野、世界観で自分の立場を構築するはみ出し運、
親兄弟、友人とは異なる独自の道を歩むことで運が伸びる運の型です。

 

そして、
戊亥天中殺の開運法は生涯において精神修養に努め続けることであるのに対し、
辰巳天中殺の開運法は、とにかく行動し続けることです。

 

なお、
戊亥天中殺が精神性の向上に向かわない場合は現実に翻弄され、起こる出来事の波に溺れる事態になったりします。
また、辰巳天中殺が机上の学びに熱心になったところで得られるものは薄く身にならず、迷いの多い運命となります。

 

と、天中殺について説明しましたが、
例えば戊亥天中殺で十二大従星が現実星ばかりだと、なかなか精神性に向かいにくかったり、
辰巳天中殺で十二大従星が精神星ばかりだと、なかなか行動に向かいがたいということもあります。

しかし誰しも宿命の中に何らかの矛盾や困難を抱えているものなので、
そうした矛盾を人生において消化していくことが人生の醍醐味と捉えて、
自分のあるべき在り方を作り上げていくと良いのだろうと思います。

 

ちなみに、
現実性に寄った宿命の人が精神性に寄った人と結婚したり、
精神性に寄った宿命の人に現実性に寄った子供が生まれたりということがよくあります。
これは、そこから普遍性を学ぶための神様の配剤です。

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