十大主星の復習です。
十大主星の本質を知ることは、物事の道理、世の中の仕組み、あるべき生き方を学ぶ上で参考になります。
よって、自分の星図にある無しに関わらずら知っておくと役に立ちます。
2週間以内に10種類全部書く予定ですが、整理しながらなので断続的になるかもしれません。
■貫索星(玉堂星→貫索星→調舒星)
貫索星は一言で言うなら頑固な星です。
「頑固」というと、協調性を過度に評価する現代では必ずしも良い意味で使われないものですが、
何かを成し遂げるには不可欠な資質でもあり、改めてその価値を書いておこうと思います。
そもそもですが、
知性、理性を伴わない頑固さは頑固とは言いません。
それらが伴わない頑固さは私的な「我」に過ぎないもの。
頑固とは、出処進退を心得ていなければならず、その頑固さを発揮して良い時と悪い時を判別する力を必要とします。
そのタイミングを測れない頑固さは価値を失い、真に物事を守ることは出来ません(貫索星の本義は陽の守備本能)。
そのため、頑固さの極みは沈黙となり、静かな佇まいの中に見いだすことができるものといえます。
もし、見るからに頑固、人から「頑固な人だ」と評価されるとすれば、それは他人の言葉を受け付けない我であり、人生が崩れることにつながります。
頑固さを世の中に対して発揮しようとする場合、つにね孤独の中にあることを覚悟しなければなりません。
もし、孤独孤立を恐れるならば、その頑固さは価値を失います。
貫索星の持つ一貫したエネルギーとは、孤独孤立を生むものであり、
それによって幸運をつかむ資格を得られます。
頑固とは孤独なものであり、
守るとは孤独との戦いです。
これは例えば代数論で言う二代目の役割、守りの役割にも通じます。
算命学では古来より、
「初代生存中の二代は黙して語らず、ただ行為あるのみである。初代が完全に退いて後に初めて語るべし。しかし多くを語るべからず」といわれます。
これは帝王に向けた言葉だそうですが、現代においても心に留めておく価値はあるように思います。
■調舒星(貫索星→調舒星→禄存星)
調舒星とは孤独孤高の星ですが、
孤独孤高とは、頑固な守備力に支えられ、愛情奉仕につながります。
「孤独」というと、人との交流のないうら寂しさを連想するものですが、
真の孤独とは、個を確立した魅力の源泉であり、多くの人たちを引きつけ豊かな愛情と奉仕の世界へ向かう元となります。
孤高孤独の元となる自己の確立には真に守るべきものを守る頑固さが必要であり、
そうした守るべきものを時の権力や大衆、世論によって揺らがせず、
それらを守りきることに自己の存在の価値を認識したとき、
その孤独孤高にはもはや寂しさや人恋しさというものが混じることはありません。
愛とは強さである、
ということがいわれます。
愛を守るには、強さが必要。
『タフでなければ生きていけない。
優しくなければ生きている資格がない。』
というハンフリー・ボガートが演じたフィリップ・マーロウのあまりに有名な言葉と同じ世界観です。
算命学では、
孤独に耐えられない人は人を愛する資格はない、
人を愛するには孤独孤高が必要といいます。
真の孤独とは、
自我と欲の完全燃焼の先にあり、
無我の境地、無欲の姿勢が完全に成ったとき、
真空地帯と同様の凄まじさを持った引力が生じます。
真の愛とはそうしたところで起こるもの、ともいえます。
火剋金とあるように、
貧しい自尊心に支えられ、
「我こそは」と考えているうちは真の孤独になりきれるはずもなく、
真の愛が生まれることもありません。
孤独が真の自尊心とは、
すべてを完全燃焼した先の真空地帯、
凄まじいばかりの愛情を引力によって引きつけられるように成った先に生まれるものです。
参考文献『原典算命学体系』第4巻