宿命中殺がある「子供」についてについて書きます。
多少、センシティブというか立ち入った内容となりますので、閲覧につきご注意くださいませ。
さて、昨日、宿命中殺があるお子様の難しさについて報告があり、
それについて、何が出来るか？ということを、考えていました。
それについて、書いておきます。
そもそもですが、宿命中殺がある子供の育て方については、
高尾宗家が
「自分の子供として育てるのではなく、社会の預かりものとして育てなさい」
…ということをおっしゃっていて、
跡継ぎにするべく育てるとか、
親が実現できなかった夢を託して育てるとか、
親の価値観の枠組みの中で育てるとか、
…そういうことをしてはいけない、というのはこれまでも書いてきたとおりです。
これはなぜかといえば、
中殺がある子供というのは（中殺がある大人もですが）、制御できないエネルギーをもっていて、
親が「こうあるべき」ということを押し付けると、そのエネルギーが消化不良を起こして腐ってしまい、
心身に支障をきたすため、といわれます。
さて、とはいえ、見ていると、
今どきの親は、明確に「こうあるべき」を押し付けていないことのほうが多く、
それでも問題が生じていることをみれば、
この「こうあるべき」というのは、
強権的な押し付けでなくとも、
「単に親が抱いている価値観の枠組みの中で生活する」…ということをも含み、
つまるところ「親の目」があるところにいる限り、
それは「こうあるべき」を押し付けられているのと同じような現象を起こすのではないか？
…と、いうことに気づきます。
実際、
夫の海外赴任で日本を離れてはじめて「親の目」から離れられ、
そこで初めて息ができた気がしました、ということをおっしゃる宿命中殺をもつ方はけっこうおられて、
「親の目」や「親の価値観」というのは、
案外と「無言の圧力的」に、静かに子供に影響を及ぼすものであることが分かるのではないでしょうか。
「案外と」と書きましたけれど、
自分の子供の頃を思い返せば、その「無言の圧力」はとても大きかったことは分かるもので、
私自身、「無言の圧力」がなければ、大学は、法学部ではなく文学部に進んだだろうと思いますし、
敢えて就職先に大手企業を選ぶこともなかったかな？という気がいたします。
そういう方も多いはず。
さて、そう考えると、
親に出来ることは、
「親の目」から意識的に開放すること、
「親の無言の圧力」から意識的に開放すること、であることが分かります。
ここで重要なのは、単に、
「親の目」から開放すること、
「親の無言の圧力」から開放すること、
…ではなく、「意識的に」それを行うことが必要であろう、ということで、
言い換えれば、
敢えて、意識的に、伴走しないこと、
敢えて、意識的に、子供を突き放すこと、
敢えて、意識的に、自分で決めさせること、
…ということです。
「可愛い子には旅をさせよ」とか、
「獅子の子落とし」とかいう言葉は、
中殺のある子どもの教育にこそ、有用なのではないかと考えました。
ちなみに、こうした厳しい子育てが有用であることは、
大運天中殺の陰転・陽転の仕組みからも裏付けられます。
つまり、宿命中殺の構造と、大運天中殺の構造は似ているのですが、
大運天中殺が、その前旬において、現実苦があれば陽転し、
その前旬において、現実苦がなければ（＝現実楽があれば）陰転するのと同じように、
宿命中殺がある子供というのも、困難を経たほうが、その先に陽転する可能性が高まるだろうということです。
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