会う人によってみせる顔が異なる人というのがいます。
親しい人にみせる顔、
仕事相手に見せる顔、
知らない人に見せる顔など、
全然違っていて、それが恋人や配偶者であったりすると、不信を抱いてしまったりします。
何も知らないでいると、
その人が悪意で顔を使い分けているのかと勘ぐってしまいそうですが、
実は宿命的にそんな性質の人というのもいて、
その場合、本人はほぼ無意識に、自然に顔を使い分けています。
「使い分ける」
というのも、本来は正しくなくて、本人の中に様々な性格が同居していて、
TPOに応じて鮮やかに軽やかに使い分けている、というだけのことなので、
そんな人に出会ったら、
それが本人の性質なのだと受け入れる方が良いです。
地支一気格という格がありますが、
この格はそんな性質として現れます。
地支一気格とは、年月日の十二支がすべて同じ場合。
例えば以下のようなケースはすべての十二支が亥なので地支一気格になります。
丁辛己
亥亥亥
同じ亥が3つあるのだから、すべて同じ性質が現れるのでしょう?
というのは西洋的な思考回路で、
東洋思想では、同じものが3つあると3つそれぞれ別のものとして現れます。
例えば、
同じ星が3種類の表れ方をするとか、
3つの視点から物事を眺めるようになるとか、
3つの分野で仕事をするとかです。
しかし、それがバラバラとした行動になるかといえば、必ずましもそうではなく、
その3つを同時に体現できる人もいます。
地支は時間と行動を示しますが、
その3つが同じということは、
過去・現在・未来を別の角度から同時に捉えて行動していくことができるということ。
一人で3人の視点をもって行動する人です。
よく言えば一貫性のある実現力のある人、
悪く言えば融通のきかない頑固な人ということもできます。
また、
地支一気格は年月日すべての地支が同じということは、陽占でいえば東西と中央がすべて同じ星になります。
東西が同じ場合は二度運といって人生が一度大きく変化してら二度の人生を生きると言われますが、
東西中央がすべて同じ場合は三度の運、
人生において大きな変化が二度現れます。
そして、その変化のたびに大きく価値観が変化します。
ちなみに、
私の父は地支一気格の人でしたが、
確かにその通りの人でした。
会社の人に見せる顔、
親族に見せる顔、
家族に見せる顔、
それぞれ異なっていましたが、それぞれの場所で生き生きと楽しんでいました。
また、
大きな変化も確かに二度。
九州に生まれて就職して岡山へ。
その後40歳前に東京(主に海外勤務)へ。
おそらくその度に大きく価値観は変容したと思いますし、そうでなければとても対応できないような仕事の変化を見事にこなした人でした。
そして、
長期にわたる鉄道敷設やプラント建設などの巨大プロジェクトをマネジメントしてこられたのは、
過去・現在・未来を見通す思考を持っていたからなのだと思います。
本日は父のお墓詣りに行ってまいりました。
ギリギリお彼岸に間に合ってよかったです。
雪柳の真っ白な花目に眩しく、健やかな春の空気の中で父を偲びました。