このところ、
急激に「評価が下がっているな」という印象を持つ人というのがいます。
少し前まで、「沢山の人に影響力を持つすごい人」みたいに言われていたのが、
このところ、
「あの人が紹介する店はまずい」とか、
「あの人が紹介する人の仕事はレベルが低い」とか、
「あの人が紹介する人は友達のノリでアンプロフェッショナルだ」とか、
…と、そんなふうに言われるようになっていて、
やはりな、と納得しているところ。
というのも、その方は、
のべつまくなしに、人の縁のあるものは何でも片端から喧伝する方であったので、
私自身は最初からその人物を信用しておらず、
早晩、そういうことになるのは予見できていたからです。
ちなみに、「宣伝」は、いろんなモノや人を多くの人々に説明し、広く伝えることですが、
「喧伝」というのは、世間に言いはやし伝えること。盛んに言いふらすこと。
…つまり、中身のないことを力技で伝えること、大声で騒ぎたてながらモノや人をアピールするようなことを指します。
もっとも、
私の知り合いは審美眼に優れた人が多いので、そういうネガティブな評価に振れ始めていますけれど、
料理の味とか仕事の質や心構えといったものに無頓着な人たちは、あまり気にしていないようで、
そこに微妙な「二分化」が生じていて、世の中で二極化が起こる仕組みを垣間見た気がしました。
さて、
まずい料理を平気で出せる料理人と、芯のある料理を出せる料理人、
低レベルの仕事で平気でプロを名乗れる人と、プロフェッショナルな仕事を謙虚にこなせる人、
…の間における違いは何かといえば、
困難や葛藤を乗り越えているかどうか？
より簡単に言えば、
自分に厳しい人、自分より高いレベルの人を選んで付き合っているかどうか？
…にあります。
先日、ダイヤモンドオンラインで、
『相手と意見が合わない…三流は同調する、二流は反論する、一流は？』
…という記事を見かけましたが、
これは、人間の成長段階、技術の成熟段階である「守・破・離」に応じていて、
守る・同調するところで留まる人は三流、
破る・批判するところで留まる人は二流、
そして離れる・その次元を超えて新たな何かを生み出す人が一流というお話なのですが、
やっていることに何でも同調する、応援することに留まるのは三流の人、
やっていることを何でも批判する、叩くといったことに留まるのは二流の人、
そして、その両方を踏まえて、新たな解を提供し実現できる人が一流の人であるといえ、
つまるところ、
自分に厳しい人、自分より高いレベルの人を選んで付き合っているような人というのは、
同調されることも批判されることも踏み越えて、困難や葛藤を乗り越えた先に人間関係を構築しているので、
だいたいにおいて、
平気でまずい料理を出すとか、
低レベルの仕事でもって平気でお金をもらうとかすることには、ならないのだということです。
ちなみに、よく散法の避け方、ということを問われ、
これまでもあれこれと私自身も書いているのですが、
散法がめぐる時期というのは、
「自分を批判する人」と出会う時期、困難や葛藤に苦しみやすい時期であるので、
敢えてそれを「避ける」「緩和する」ということばかりしていると、
成長が遠のくようなことにもなります。
逆に言えば、散法というのは「厳しい鍛錬を積む時期」と心得て、
きちんと対峙し乗り越えていければ、その先に一段高い世界が待っているのだということでもあります。
なお、三流に陥るのは、だいたい40代以降、
そして、そのなかでも最も三流に陥りやすいのは身強の人物です。
というのも、
成長段階の大運に散法がめぐるとか、
宿命に散法を持つとかいう人は、
黙っていても、そういう「厳しい鍛錬を積む時期」を通過するので、ある程度人間が鍛えられますし、
身弱の宿命の人は、身弱なりの現実世界における困難を通過するので、人間が練られて、
一流はともかく放っておいても二流くらいの世界で生きているものですが、
そうしたものがまるでないまま40代になった身強の人物というのは、
「大きなジャイアン」みたいな人物になるものだからです。
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