昨年の香川照之さんのあの事件、
数年前の事件を誰かがリークして顕在化したのが昨年のあの事件であったのだそうですが、
実は当時、歌舞伎に専念するために本人がリークしたのでは?
…と、疑っていました。
売れっ子役者だけに、歌舞伎界に入れども、
まるで集中することができない生活のなかで、
退路を断つためというよりは、シンプルに時間を作るために、
自らリークして映像の仕事を断ち切ったのでは、と。
そしてその疑念は、
この二週間あまり、さまざまな出来事から、
子供を歌舞伎役者にするために敢えて茨の道である歌舞伎界に入ったのだという思いが伝わってくる、
その度合いが増すにつれ強まっていきました。
子供を立派な歌舞伎役者にするために、
敢えて茨の道を選ぶなら、
自らリークによって身を落とし、時間を作って修行に励むなどは普通にやってしまえそう。
そして、ほぼその思いが確信に変わったこのタイミングで、今回の主演の舞台とその評価。
…….
中車の又平は、相当稽古を積んだ跡をうかがわせた。役は大きく3変化する。抑制を利かせた穏やかな前半、吃音ゆえに「土佐」の名字を得られず自害を決意する中盤、奇跡を起こし、立派な着物姿で舞うキュートな最後。又平は難役だが、中車によく合った役だと分かった。再び演じる機会が、必ず訪れるだろう。
團子ふんする修理之助はエリートタイプで兄弟子又平とは対照的。しかし、又平がなりふり構わず師匠にすがりついて懇願する場面では團子が涙をこらえ、体を震わせているように見えた。役を超越した感情があふれ出たのだろうか。壱太郎のおとくは、けなげな妹のような妻だった。愚直な夫に寄り添う心優しさがよく伝わってきた。猿之助なら、おそらく姉か母を思わせるような妻を演じていただろう。
本当に本人がリークしたかは分かりませんが、
この記事を見れば、
それだけの本気があったことは疑いなく、
映像の仕事を離れて以降、確りと研鑽を積んでこられたからこそのこの舞台なのだろうと思います。
そして、あるいは、
その「本気」が、引き寄せたものもあったろうと考えます。
これはつまり、
アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』において、
魂が継承された仕組みにあるような、
その魂に相応しい人間が現れたら、
その人間に魂が入り込み、それを体現する役目が与えられる、
それが今回の事件の本質なのではないか、
…ということです。
「役目に相応しい人物の登場」というのは、
現実の風景をあっという間に変えてしまう原動力となります。
これはつまり、「役目」を担いながらその「役目」を真っ当に果たさねば、
その「役目に相応しい人物の登場」、
「役目に相応しい人物」が、
その役目に相応しい研鑽を積んだタイミング、
もっと丁寧にいえば、
その役目に相応しい研鑽を積むことが確定したタイミングにおいて、
もとの「役目」の人物は淘汰されることになるのだろう、ということです。
この「役目に相応しい研鑽を積むことが確定したタイミング」という概念は、
西洋思想的時間感覚、直接的時間感覚においては理解しにくいのですが、
東洋思想的時間感覚、円環的時間感覚においては、たとえば宿命をそれた人生が確定したタイミングで六旬目を待たずして淘汰されるわけで、
あの構造に通じています。
ちなみに、こうした「淘汰」というのは日常においても実はそこここで起こっていて、
例えば、「役目」を果たし始めた人は、
自分とは異なる「役目」にこだわり、その本人に与えられたのとは異なる「役目」を生きている人と会話ができなくなる、というような事態に陥ります。
いや、言葉を発して交わす会話はできるのですが、
「役目」を果たしている人から見るとその「異なる役目」にこだわっている人の言葉がスカスカに感じられて、
対話にならない、物事の本質に触れるような会話ができない、ということなのですが、
これは、よりくっきりと適切な「役目」を果たし始めた人には顕著に感じられるようになるもので、
実際にその立場にある人には分かるはず。
中車さんの話に戻せば、
今回の件について中車さんはじめ、歌舞伎役者の方は何一つ語っておられませんが、
中車さんには、何か感じるところがあったのではないか、
身近にいた歌舞伎役者の方は何か気づくところがあったのではないか?
…と、思うのですが、どうでしょう。
そして、そうした「流れ」が今回の件に結実した、
もちろんその「結実」もまた新たな流れの始まりであるのですが。
この投稿の冒頭に、
「香川照之さん」と書きつつ、最後に「中車さん」と書きましたが、
何年か先、あるいはもう少し時間がかかるかもしれませんが、
「香川照之」さんより「市川中車」さんとして認識されるようになるのだろうということを、確かに感じています。
以下、算命学を勉強されている方へ。
上記の内容について、算命学の構造的な説明はnoteのほうに書いています。
それに付随して、
立体五行の構造的説明、なぜ原典を理解するために立体五行の理解が必要なのか?
立体五行なしに算命学を学ぶとどういうことになるのか?
…についても書いています。
いわゆる奥義秘伝に連なる内容ですが、
それだけ読んでも奥義とも秘伝とも思わないかとしれません。
けれど、猿之助さんの事件以降、
澤瀉屋一門の命式を掘り下げるなかで、
長く続く家系というのは、浅い家系よりもはるかに際立った現象が起こるのだということを目の当たりにしつつ、
処世術として算命学を学ぶなら別にして、
帝王学としての算命学を学ぶなら、立体五行の理解、そしてその先にある原典に記された奥義秘伝の理解が必要であろうという確信を得ましたので、
このタイミングで書きました…のでご案内しておきます。
※初学者の方には難解なので、お勧めしませんが、平面五行が万能だと考えている鑑定士の方には参考になる内容と思います。
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