調舒星と牽牛星は七殺と呼ばれる激しい相剋の関係です。
これを現象的に説明すれば、
調舒星の自己主張、反発、反骨精神が牽牛星の地位や名誉を剋す関係。
言い換えれば、
この形を星図に持つ人は、
自分の反骨精神や自己主張が、
自分の地位を危うくする人
ということがいえます。
この関係が後天運で成立した場合、
例えば大運で牽牛星が巡った場合において、
星図の東に調舒星があれば、仕事において自分の自己主張が自分の地位を危うくします。
星図の西に調舒星があれば、家庭やプライベートにおいて、自分の自己主張が自分の地位を危うくします。
この例をよくよく考えると、
後天運でめぐる星の位置づけというのがよく分かります。
「大運でめぐる金が星図の火に剋される」
という動きが、
「金(地位)が火(自己主張)によって剋されて自分の地位が危うくなる」という現象につながるということは、
後天運でめぐる星というのは、
「たまたま通りがかった運」とか
「通りすがりのお客様」のようなものではなく、
明確に自分の命式の一部となり、
確固とした自分の人生の一要素となるということを示しています。
ちょっと分かりにくいかもしれませんが、後天運でめぐる星というのを確りと生かし対処する上で、この認識はとても重要です。
後天運のなかでも、大運は10年、年運は1年と期間が長いので特に意識することでうまく活用することができる一方、対処もまた必要です。
日運や月運では期間が短いので意識しにくいものの、存在感としては大運や年運と変わらないので、こちらも確りと意識すれば活用できますし、油断すると大きなアクシデントにつながることもあります。
これは、アクシデントというのは大抵瞬時に起こるものであることからも分かります。
なお、上記の相剋による現象がどんな局面において起こるかということを、その十大主星を生んだ干から読むことができます。
例えば、庚から出ている調舒星が甲から出ている牽牛星を剋している場合、
庚が甲を金剋木と西が東を剋しているので(庚は陽金、定位置は西、甲は陽木、定位置は西)、例えば、妻にかかわる自己主張が仕事の地位を危うくする、と読むことができます。
※干についてはその位置、方向からどの立ち位置の人かを読みます。
こうしてめぐる星を捉えることによって、その時期に起こる出来事の型、パターンを知ることができます。
もともと、星図には人生における人間関係や起こる出来事の型が示されていますが、後天運でめぐる星を読むことによって、その型の変化を知ることができる、という言い方もできます。