前に、禄存星というのはお金持ちの星ですよ、ということを書きました。
先ほど書いた「引き寄せ」つながりで思い出したことがあります。
算命学で「引き寄せ」の星といえば、禄存星と司禄星、土性の星です。
算命学では、引力本能の星といわれ、
モノや人、お金を引き寄せます。
しかし、引き寄せるのはそうした良いものばかりではなく、悪いものも同様に引き寄せます。
例えば、因縁や情欲、怨念なども引き寄せます。
モノをもらってラッキー!
と考えるのは早計で、そのモノと一緒にモノにまつわる因縁ももらってしまったりするもの、といわれますが、
禄存星や司禄星は、そうした因縁を多くもらいやすい星でもあります。
それらの星がなくても、
お金がたくさん入ってくるとか、
モノをたくさんもらうとか、
たくさんの人の人気を得るとかする人は、
定期的に「手放す」ことを行なっていかないと、あるとき気づくとドロドロとしたエネルギーに埋もれて、
よろしくないことに悩まされることになったりします。
モノを手放す、
ほどほどに損をする、
たまに人間関係を整理する、
ということは、軽やかにスムーズに生きるための処世術のようなもの、といえます。
禄存星はお金の星(回転財の星)といわれるのと同時に、「愛情・奉仕の星」ともいわれます。
「愛情をかけ、奉仕した結果としてお金が入ってくる」
「お金をたくさん放出することで人がたくさん寄ってくる」
と説明されたりして、愛情・奉仕とお金や人望がくるくると交互に流れていくのが本来の美しい禄存星の姿です。
しかし一方で、愛情や奉仕が不足すると、
お金を溜め込み、モノを買い込み、人に執着するようになります。
心理学では、買い物依存症は愛情の不足に起因するといわれますが、
これは禄存星の陰転のパターン。
どんどんネガティブなものが溜まって重苦しくなってしまいます。
ちなみに、お金にせよモノにせよ、
ある種の臨界点のようなものがあって、
そこを超えてしまうと手放すことができなくなります。
お金持ちなはずなのにケチな人とか貧相な格好の人、
たくさんあるのに囲い込んでしまっている人、
使いきれないほどのモノを溜め込んでいる人、
というのがたまにいますが、因縁に絡め取られて身動きができず、手放すこともできなくなっている人です。
ちなみに、
もっとも因縁や情欲がこもっているのはお金です。
お金は様々な人のお金にまつわる執念や執着を経て流れてくるものなので、
それを溜め込むことは、そうした執念や執着を自分の世界に招き入れ、飼ってしまうのと同じような意味があります。
算命学で曲財局という局があり、
東西で木性(貫索星・石門星)が土性(禄存星・司禄星)を剋す型をいいますが、これはお金がたくさん入ってくる(禄存星・司禄星)と、それを溜め込んでしまう(守りの星である貫索星・石門星がお金を必死で守る)ことにより、
禍を受けるリスクがあるといわれます。
曲財局のある人はもちろん、
曲財局のありなしにかかわらず、
溜め込むのではなく手放していくのが良いということ。
なお、先ほど、「算命学は処世術理論」ということを書きましたが、
こうした星の組み合わせとその現象を知ることが最良の処世術を知ることにつながります。