天中殺の時期、というのは「悪い運気の時期」のように言われますが、
その本質は、モノゴトが自分の意思とは別の動き方をする時期、ということです。
目指したものは想定した通りには手に入らず、
頑張ってもその頑張りに比例した結果を得られない、などの現象となります。
天地の枠、上限や下限といった制限がない時期なので、一つの行動や考えが、その枠を飛び出し、自分が想定・想像できる範囲を超える結果が起こる時期であるともいえます。
こういう説明をすると、
「予想外にいいこともあるんですね!」
と言う方がおられ、
実際その通りなのですが、
「予想外にいいこと」を期待する心がある限り、「いいこと」は起こらない、
天中殺はそんな時期でもあります。
前に書いたかもしれませんが、
天中殺の心の在り方として最も望ましいのは、無心・無欲であることです。
「自分の思い通りにしたい」とか、
「自分が得するようにしたい」とか、
「自分が評価されたい」とか。
「自分が一番正しい」と固執するのも含めて、
そういう自分の利益、いってみれば我欲をもつと、うまくいきませんし、
その我欲が高じると、有形無形の手痛い禍を受けることになります。
貯金や投資、蓄積に向かない時期ともいわれますが、
これは貯金による貯め込みや投資の利益への拘りは、自分の利益に執着する心へ繋がり、我欲が高じて苦しいことになる、ということです。
天中殺の時期の喧嘩もよくないと言われます。
これは「自分の正しさ」へ執着する心へ繋がり、客観性を欠き、中庸を逸れることになるため、やはり苦しいことになる、ということ。
よって、天中殺の時期は、
なるべく何にも執着せず流されるままにあるのが良く、
自分の利益のための行動や計画は避けるのが良い時期です。
これを簡単に、よく知られた言い方でいえば、
「引き寄せの法則」の引き寄せや、
「リアリティ・トランサーフィン」で推奨される在り方を実践するのに良い時期ということ。
つまり「執着を手放す」ということです。
なお、この天中殺の時期は他の時期よりはるかに「引き寄せ」が起こる時期でもあります。
我欲を昇華し、無心無欲のニュートラルな心が実現すると、
自然と様々なものが引き寄せられるというのは物理学上の真理ですが、
枠のない、無限の世界が広がる天中殺の期間に、そうした心を実現することで、
無限の世界から様々なものを「引き寄せ」ることを実現できます。
ここでいきなり「引き寄せ」という、
なんとなく「高尚な算命学」に不似合いな俗っぽいワードが出てきて驚かれる方もおられるかもしれませんが、
算命学は「最も効率的な処世術理論」なので、
引き寄せの法則のみならず、
様々な人生訓やビジネスハウツーの背景にある理論的根拠を知ることができます。
「理論的根拠」とむずかしげに書きましたが、ある意味では世の当たり前の法則ばかりなので、
聞けば「なーんだ!」と大抵の人は思われるように思います。