先日、命式についての意見交換の題材として、後藤はつのさんという方の命式を拝見しました。
73歳でお孫さんの一言をカルチャースクールで絵を学び始め、
82歳で現代童画展新人賞を受賞、
96歳で同文部大臣奨励賞を受賞、
99歳までに19枚の大作を描き、
100歳でニューヨークでの個展を目指し、
106歳でアメリカ旅行に行かれたそうです。
100歳を超えてからはかるたにも挑戦し、112歳の時に全国かるた協会より初段を授与され、
主著に、「111歳、いつでも今から」という本があります。
命式と照らし合わせながら拝見したのですが、
命式通り、そして何より大運通りに生きておられることにとても驚きました。
よく書いていることですが、
算命学では、
宿命を外れたまま生きていると大運の6 旬目で淘汰される(他界する)といわれます。
そのことを思うに、この後藤はつのさんという方は、
宿命通りに生きると長寿を全うできる証左のような方でした。
大運天中殺を抜け、年運天中殺を超えてに亡くなられているのですが、
天中殺中に亡くなられると、無念や心残りある亡くなり方といわれることを考えるに、
心置きなく他界されたということと思います。
また、亡くなられた大運は日柱大半会、大往生にふさわしく、大きく旅立たれたよう。
73歳のカルチャースクールに入って絵を習われ始めたのはちょうど、大運が壬騎龍背格に入っており、芸術的才能が開花されたのはまさにこの大運の格の賜物で、それを存分に光られたのだろうと思います。
車騎星の大運なので精力的に取り組み、その後の牽牛星大運で上に紹介した現代童画展新人賞など大きな評価も受けたのは納得です。
なお、93歳からは龍高星、103歳からは玉堂星がまわっているので、新たな学びに挑戦され、それがかるたのようなトラディショナルな分野であるのはまさに大運通りと思いました。
宿命を見直せば、海外は龍高星、絵画は調舒星、精力的に取り組むのは車騎星、そして多くの人を巻き込む石門星、全体として宿命がキラキラと光っているのが伝わってくるようです。
陰占を見れば、
半会で壮年期以降、水が生きる人(申辰が水化するので、日干が土で濁らなくなり、金→水→木と流れる)点からしても、晩年運、そしてそれが生きた人。
何より、生日中殺の人で、老年期における枠がない人なので、晩年における活躍はその中殺をうまく生かした人とも言えるように思います。
プライベートでは、
上京された14歳は日干干合で、丁壬の干合は華やぐ心が感じられます。
19歳で日干支納音、何か大きな変化があり、20歳、年干支大半会で結婚、満足感ある幸せな結婚であったろうと思います。
長寿の人は宿命を光らせた人といわれますが、なるほど、と思いました。
成功し、一角の人物になられた方というのは本当に宿命を綺麗に消化されており、初心者でもよく分かります。
改めて、宿命、そして大運を意識してその消化に努めようと思いました。
※命式はセラファムさんのアプリで出しました。