先日、立派な経歴の方の命式を拝見していた際に、
「子どもの頃、周りと協調するためにおバカキャラを演じていたら体調を崩しました」
というお話を伺いました。
高い教育を受けられた方ですが、印象としてはふわりと優しげな感じ。しかし言葉の端々から知性を感じる人。
特筆すべきは3つの身強の星を全て持つ最身強の方であるということでした。
日干は丁で感受性鋭く、内なる情熱を秘めた美意識の高い方。
月干は庚で鋼、なので、誇り高く、強く確固たる自分の信条をもって生きていく人。
年干が己なので、たくさんの人を受け入れることごできる質があることから、
若い時期に、対外的な場所において、本来の自分と異なる」おバカキャラを演じてみるという方向に向かったのかもしれません。
しかし、己は本質的に頑固で剛直な性質なので、妥協や迎合は宿命を逸れます。
己でなくても、
大義なき妥協や迎合は宿命を逸れるもの。
但し身弱の星の場合、様々なものを受け入れていくことに本質がある星もあり一概には言えない面もあります。
しかし、その方の場合、天将星を含む最身強です。
その大人の性質を屈(かが)め、まわりに自分から合わせていくのは、役目を果たしていないことにもなります。
よって、それで体調を崩したというのはとても納得なお話でした。
思春期におバカキャラを演じる、
ということは、実は私も経験があります。
思春期どころか、大学の1年目くらいまでは、
雑多で様々な層や立場、考え方のたくさんの人に囲まれると、
その多数派に迎合して合わせなければという意識が働いていたように思います。
自分の本質的な性質が明確になる前の曖昧な時代、
自分の本質的な性質をごまかすことは出来ないものだと自覚する前の時代、
自分の本質的な性質で勝負していくしかないと認識する前の時代、
自分の本質的な性質で生きることの健やかさを知る前の時代、
…においては、
往々にしてあることなように思います。
しかし、そうしたことを続けていると、早晩どこかで行き詰まります。
宿命を逸れていると、なかなか物事がうまくいきにくいものですし、
他の人ができるのに何故か自分はできない、ということが出てきたりします。
昨今多くの人が採用している「プラス思考」で、なんでも良い面を見つけようとすると気づけないかもしれませんが、
少し引いて「何か変かも?」と立ち止まってみると、大抵のひとはこうしたことに気づけます。
宿命を逸れていることに気づかない場合、
「いい加減気づきなさい」
とばかりに事故や病気に見舞われることもあります。
よって、何かうまくいかないときは宿命を逸れていることを疑い、気づいたら、宿命の道に戻り向かうことが望まれます。
これは、早い程よいですが、遅くてダメなものでもありません。多くは40代前後、場合によっては還暦過ぎから軌道修正する方もいます。
但し、大運の6旬目まで気づけずにいると、淘汰の危機にみまわれるので、
妥協や迎合を重ねている人は、気をつけて意識してみると良いように思います。
「会社では妥協と迎合しかないよ」
と言われたりするのですが、
会社に命を捧げるならそれもよし、
しかし、大事なのは自分の命を生きること、と思います。
以下補足です。
身強・最身強の方で、
「周りの人に合わせる」優等生、
そしてなぜか体調がいつも優れないとか、よく怪我をするようなタイプの方は、
自分の本質的な性質を生きていない、
宿命から逸れている可能性を疑ってみると、何かその体調不良のヒントが得られるかもしれません。
まわりに何人かいることに気付いたので書いておきます。