『グッドワイフ』という海外ドラマのシーズン4にヘイデンさんという管財人が出てきます。
主人公の所属する弁護士事務所が債務超過に陥ったため、その債権を取り立てるために債権者を代理して事務所とやり合う立場の人です。
このヘイデンさん、ドラマに入り込んで観ていると、
「なんて物分かりの悪い人なんだろう?」とか、
「なんて融通の効かない人なんだろう!」と、思うのですが、
算命学的にいえば、
その役割を妥協せずに果たしているという点で、正しく生きている人です。
普通の人は一般的に、
喧嘩したり対立したりする局面において調和を優先して折れてしまったり、
そうでなくてもお茶を濁してしまったりする傾向にあります。
それは、確かにその場においては丸く収まります。
しかし、
例えば件のヘイデンさんがそのドラマの中で、
自分の役割に反して主人公の事務所の主張にを受け入れてしまったり、
その役割を曲げて迎合してしまったとしたら、
主人公の事務所はバンザイかもしれませんが、ひどくリアリティに欠けるお話になり、
ヘイデンさんも主張のないつまらない人物に成り下がってしまっただろうな、とふと思いました。
このヘイデンさんは、事務所の売却や敵対的な合併などを目論み、事務所と激しく対立するのですが、その後、仲間に加わります。
(ネタバレを避けるためシンプルに書いておきます)
多分、その場その場で折れたり迎合したりしていたら、表面的には最初から仲良く穏便にいられたと思いますが、都合よく使われてオシマイだったのではないかな?と、思うのですがどうでしょう。
このことは、
私たちが普段の仕事や生活、人間関係においてどうあるべきかを示しているように思います。
さらにいえば、
宿命を生きるとか、
本質を生きる、ということにも通じているように思います。
自分の役割を自覚し、
その役割を果たすには、
対立も衝突も起こり得ます。
むしろ、
本質的なところに近づけば近づくほど、
頂上に近づけば近づくほど、
あるいは、
ゴールに近づけば近づくほど、
対立や衝突は激しいものになるもの。
それは大変に苦しいものかもしれませんが、
それを乗り越えた先にしか、
本当の関係というのはできないかな?
私は最近、そんなふうによく思うのです。
役割に忠実な人、
自分の思いに忠実な人、
自分だけのこだわりがある人、
こういう人というのは、
自分を世界に顕現させている人です。
そして、
そういう人というのは、
その職業を問わず、経歴や学歴や家柄にも関係なく、
尊い人だな、と思います。
それは、宿命を生き、本質を生きているからなんだろうと思います。
おそらく、
自分がそのように生きていなければ、
そのような人には出会えないか、出会えたとしても密度濃い人間関係を築くのは難しいはず。
自分の本質を生きることの大切さを、
このところよく感じています。