風水はもともと、陰陽と八卦、そして五行の3つを元にしています。
それは「風と水」の学問ではなく、「天と地に関する研究」だったそうです。
よって、最近のインテリアや置物の風水とは別モノです。
この古典的な風水における「気」は、環境にある自然のエネルギーのことで、
陰(山)と陽(水)が融合することから生じます。
この「気」はシンプルに分けると「生気」と「殺気」に分類され、古典的な風水の目的は、生気を活用し、殺気を避けるというものです。
「生気」は、自然の地形だけが発し、生じることができます。
人工的な建造物は、気を発したりしません。
よって、その場所に「気」があるかどうかは、まず本物の山や丘と本物の水、川や池などがあるかを見ます。
「気」は水の流れと同じように、ゆっくりと流れ、曲がったり、高いところから低いところに流れたり広がったりしながら土地を循環します。
循環しない「気」は、殺気となります。
よって、できれば周囲に自然の水や山や丘のある場所に住むのがよいとされます。
これは、必ずしも壮大な山や川でなくてもよく、上り坂や下り坂、灌漑用のため池などでも良いです。
古典的な風水における陰陽は、そろって完全となります。
例えば、
山は陰の力を持ち、川は陽の力を持ちます。
お墓は陰宅、住宅は陽宅といわれ、引っ越しや建て替えなど、自宅を整備するときは、併せてお墓もしっかりとしたものにする必要があります。
そのバランスが大事といわれます。
なお、住宅の場合、「気」はオープンなスペースに集まるものなので、家の中のオープンスペースである玄関やリビングは、気が集まりやすいように明るく整頓しておく方が良いといわれます。
「気」はゆっくり流れる方が良いのですが、廊下のような狭いところでは動きが早くなります。
また、家の中の陰陽は、寝室のような静的な場所は陰、リビングは活動する場所なので陽です。
そのバランスが大事です。
また、五行を考える場合、相剋は剋される側が消耗しますが、相生の場合も、生じるほうは他の五行を生み出すことによりエネルギーが枯渇するので消耗します。
古典的な風水の目的は、
人が快適に安らぎに満ち、老け込まず、元気に過ごせる環境を目指します。
生産的に心が安定して健康に過ごせる環境です。
ダイレクトに財運を目指すのではなく、健やかな生活の延長線上に、財や富を成していくということです。
とはいえ、お金の星のある場所というのはあって、そういう場所をリビングや玄関とするのが良いとされます。
東洋思想を学んでいると、世界がとても立体的に見えてくるものですが、
ミクロコスモスの世界を追求すると東洋医学に、
マクロコスモスの世界を追求すると風水に行き着きます。
処世術たる算命学を学ぶにあたっても、その意味を掘り下げようとすると不可欠な知識となります。
基礎的なところは抑えておかなければ、ということで、古典的な風水も学び始めました。
※参考文献:『ジョイ・ヤップのピュア風水』