天胡星という星があります。
十二大従星という、人間の一生(受精卵から人間になって宇宙の星になるまで)のなかの「老人(天堂星)」のあと、「死(天極星)」の手前、病人の星です。
なお、老人とか死とか病人とか、
あまり喜ばれない呼び名ですが、キラキラした天恍星や、王様の天将星などより洗練されていて、精神性が高く、人を不快にさせることの少ない星です。
(他の星とのバランスによるので、一つの星だけをとって「こう!」とは言えませんが)
さて、この天胡星。
病人の星だけに身体は動きませんが、
老人を経た後の星なので成熟した魂であり、精神性は相対的に高い星です。
死ぬ直前の魂なので、現世へのアプローチにおいては最も練れており、その美意識においてのみエゴを残す星ともいえます。
とはいえ、その美意識は塔ほども高く、その高くそびえる塔のように研ぎ澄まされた美意識が人の目に触れることを心の底から願う星でもあります。
身体が動かないので、自分からアプローチする代わりに、その美意識の発露をもって人を惹きつけようとする、という言い方もできます。
また、病人であり、個としての最終段階なので、もはや人と過ごすことよりも、自分の顕現としての美意識を掘り下げ、研ぎ澄ませ、追求します。
よって、人とつるむことや意味のない関わりを持つことを好みません。
人間の身体を持つ最終段階でもあるため、身体を持って経験することは厳選し、本質的に自分と合うもの、自分の魂の成長に合うものだけを吟味しながら選びとる星です。
精神性が高い=波動が高い星でもあり、
周りの人や環境の波動に敏感です。
よって、人混みや混雑の中にいると機嫌が悪くなったり気持ち悪くなったりしますし、付き合う人の影響を受けやすくもあり、そんな背景もあって、「誰とでも」付き合うことはしません。
波動に敏感といえば、
天干が水性のひとは、人間の想念に呼応します。壬は集団の想念に、癸は個人の想念を受け、その影響を受け、それが自らの動きに反映します。
天胡星の場合、動けない(病人)ので、ひたすら波動を被るだけになります。
そうしたこともあり、自らの環境を美しいものだけで満たすことに貪欲です。
天胡星はフェロモン星ともいわれます。
同じフェロモン星として天恍星がありますが、天恍星のそれが初々しいものをはらんでいるのに対し、天胡星は手練手管の先にある成熟した色香を醸します。
酸いも甘いも噛み分けた後に、美しいものだけで満たした城の主人という風情。
そして、孤高の美を求めながら、一方で人の気を惹きたいという思いを捨てきれない(病人ですがまだ人間の身体を持っているため)という性質もまた確固としてあったりもします。
なお、美意識とか孤高というキーワードの主星に調舒星がありますが、
主星は性格や才能を起点として現れる性質で、
従星はその成熟度や体力を起点として現れる性質です。
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