算命学で、「才能」をみていくときには陽占の星図をみます。
才能というと一般的に、自分の中にその才覚や能力があれば才能があると考えがちですが、
実際のところでいえば、自分がいくらその才覚や能力を備え、才能があると思っていても、あるいは親や友人など身近な人がそれと気づいていたとしても、
それが世の中で、つまり社会において広く認められるのでなければ、才能の満足な発揮とはならず、それが役に立つこともありません。
つまり、ちょっとシビアな言い方ですが、世の中に出ない才能、社会で役に立たない才能というのは、個人の手慰みとしては良いのかもしれませんが、
この広い世界においては厳密な意味で「才能」とはいえない、ということです。
よって、算命学における「才能」という場合、
それは世に出るもの、社会に認められるもの、そしてそれが結果として世界に役に立つものであることを前提としています。
その「世に出る、役に立つ」才能を算命学で見ていく場合、それは陽占でみます。
①自分の考え方、志向性が現実的な分野に向かっているか、精神的(芸術的、学問的等)に向かっているか
②自分が社会において、現実的な分野で活躍できるか、精神的(芸術的、学問的)分野で活躍できるか
の2つを陽占から読み取っていきます。
つまり、
①において自分の志向する才能をみて、
②において社会で役立つ才能をみる、
…ということです。
ここで、「才能」ってもともとあるのだから、その才能を志向する、役立つかどうかで才能を計るっていうのはちがうんじゃないの?と、思われる方もおられると思うのですが、
生まれたときに星として与えられた才能の種というのは良くも悪くもなりえる、陰陽をそなえた中立的なものなので、
その種が育っていくには、志向すること、役立つ環境を得ることが必要であります。
これを言い換えれば、
才能とは磨かねば光らないもの、
才能とは現実世界に発揮されねば役立たないもの、
…という、割と世間一般でも聞かれることにもつながりますね。
さて。
①自分の志向性が現実的分野・精神的分野のいずれに向かっているのか?
というのは、星図の縦線の星(北・中央・南)でみます。
縦線の星のどこかに、火性・水性の星(鳳閣星・調舒星・龍高星・玉堂星)があるタイプの人たちは、「精神的な分野」に向かう人たち、
縦線の星のすべてが、木性・金性・土性の星(貫索星・石門星・車騎星・牽牛星・禄存星・司禄星)の人たちは、「現実的な分野」に向かう人たちです。
②自分が社会において現実的な分野で活躍するか、精神的な分野で活躍するか?
というのは、星図のヨコ線の星(東。中央・西)でみます。
縦線の星のどこかに、火性・水性の星(鳳閣星・調舒星・龍高星・玉堂星)があるタイプの人たちは、行動において精神的活動が介在する人たち。
よって、精神活動・思考活動・芸術活動などを行う現実な環境に向かい、そこにおいて「精神的な活動」をすることにより、現実的な活躍に向かいます。
横線の星のすべてが、木性・金性・土性の星(貫索星・石門星・車騎星・牽牛星・禄存星・司禄星)の人たちは、行動において精神活動が介在しないので、現実の世界におけるルールや取り決め、価値観といったものに疑問を抱くことなく、「現実的・実業的な活動」をすることにより、現実的な活躍に向かいます。
例えば、①も②も精神的分野の人であれば、志向も精神的、活躍の場も精神的な環境ということなので、芸術家や学者などの職業に就くことで、才能が世に認められやすい人であるということです。⇒ 北天運
あるいは、①が現実分野の人で、②が精神分野の人であれば、志向は現実的、活躍の場は精神的な環境ということなので、日常や生活に密着した現実的な考え方をもって能力を発揮していく、目の前のことを解決していくような職業に就くことで、才能が世に認められやすい人であるということです。⇒ 東天運
①も②現実分野という場合、精神性の星が皆無ということは、思考の広がりはないので自分という軸を離れることが難しいですが、逆に「自分が生き残る」「自分が評価される」ということにフォーカスすることができるので、その集中力により才能を発揮し、それが世間に認められる人たちです。
日常的、現実世界の環境において、現実に密着したこと考え方をもって才能を発揮する、ということは、ある種の利己性にもつながりますが、それでなくてはなし得ないこともあります。
⇒ 南天運
①が精神分野、②が現実分野の人たちというのは、そもそも縦線は精神・横線は現実を示すものなので、星図の姿に合致した志向と環境を得られる人たちです。
考えるべきところで考え、行動すべきところで行動できるので、揺らぎがありません。但し、考えることと行動が分断されているので、ある程度計画的に、戦略的に考えたことを実現させていくような仕事において才能を発揮し、世の中に認められます。⇒ 西天運
このカテゴリに違和感を感じる方も少なからずおられると思います。
なぜなら、才能というのが世に評価される、社会に認められるものである必要がある、という場合、
西洋思考的には、「環境を選ぶ」というアプローチになり、近代日本ではこのアプローチが一般的だからです。
しかし東洋思考、算命学的には、社会に認められる、環境に合った「才能を選ぶ」というアプローチを推奨します。
つまり、人間には与えられた環境があり、そこから逃れることは出来ないのだから、その与えられた環境において「自分が評価される才能を選ぶ」ことで生きていくのが良いですよ、ということです。
ということで、上記4カテゴリ毎の「世の中で認められる才能」を示す星は以下のとおり。
⭐︎北天運 玉堂星、調舒星 / 龍高星、鳳閣星
⭐︎東天運 司禄星、牽牛星、石門星 / 禄存星、車騎星、貫索星
⭐︎西天運 龍高星、鳳閣星 / 玉堂星、調舒星
⭐︎南天運 禄存星、車騎星、貫索星 / 司禄星、牽牛星、石門星
「/」で区切っている前半が一番認められやすい才能の星、後半が次点で認められやすい才能の星です。
自分の星図の中で該当する星を光らせる仕事を選ぶようにすると、その才能が世の中に評価されやすくなります。
必ずしも職業としてその星を活用できないとは思うのですが、そういう場合は趣味や個人活動において取り入れると、その分野で人間関係が広がったり、まわりに一目置かれるようになったりして、人生の満足度の向上に寄与するのではないかな、と思います。
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