『女神の見えざる手』という映画をAmazonのプライムビデオで観ました。
原題は『Miss Sloane』、Sloaneというのは「戦士」という意味だそうです。
戦士といえば算命学では車騎星ですが、
その星の性質である
・好戦的
・too muchにやり過ぎて周りの反感を買う
・正義のために戦う
・自己犠牲を厭わない
…などを見事に体現して見せた本作の主人公はまさに車騎星の女性の在り方そのものであったように思いました。
以下ネタバレを含みます。
主人公のミス・スローンは美しきやり手のロビイスト。
業界でも一目置かれ、国会議員や有力者からは恐れられるほどの存在です。
その彼女が銃規制法案を通す、その信念のためにその戦いにおいて、身内を利用し信頼を損ない、有力者からはそのキャリアを潰されながら、見事その法案を通した先において投獄されるという結末。
端折って書いてしまえば「捨て駒ですか?」みたいな話のように聞こえそうなのですが、
この映画の最終盤、聴聞会の最後における彼女の独白とも演説ともいえるそれは神々しさすら感じさせるもので、
観終わってみれば清々しさと彼女の今後の(最後投獄されるので、その出所後の、という意味で)活躍が期待されるような「読後感」ならぬ「観賞後感」をもちました。
以下算命学的な考察です。
ガチンコなやり合いの中でも策略、戦略が光ったところを見るに、複数の車騎星がある人のようでもあり、
自らの仕事に振り切り、家庭やプライベートというものを一顧だにしない潔い姿は相当の偏りある命式の持ち主であることを感じさせます。
配偶者はいないものの、
自分の右腕であった助手や
プライベートの関わりがあった男性はそれぞれ己の身を賭して彼女を守っているあたり、
さらには当初彼女に懐疑的であった弁護士が彼女の人となりの本質を知った後には彼女の全き理解者然とした様子に変わったあたりを見るに、東方は相剋、西方は相生の良好な星の並びであることが伺え、
物事を確実に仕上げていくあたりからは西方に支合がありそうだなぁと感じました。
後天運でいえば、
おそらくはこの映画で描かれている彼女が大手事務所から小さな事務所に向かい、そこで信念を貫いた先に投獄されたタイミングというのは東方の天剋地冲の星回りであったのではないかと思います。
天剋地冲とは、
精神的な葛藤とともに現実においても破壊的な出来事が起こるといわれますが、
一方で、それまでのことをリセットして、心機一転のきっかけを得るタイミングでもあります。
この主人公は、
大手事務所で順調に華々しく活躍しつつも、不眠症に悩み薬を常用しながら昼夜を問わず働いていたのですが、
最後の聴聞会に向かうとき、彼女は一応は眠れていたようですし、薬は飲むのをやめて水に流し、薬を入れていた銀のケースも捨てていました。
このあたりから、
破壊的な出来事の中に、心機一転のきっかけを得ていたのではないかと思いますがいかがでしょうか。
多分、あと何回かこの映画を観ると思います。
先日、
『相性の良し悪しというのは「そのとき」「その瞬間」ではなく、長いプロセスにおいて分かる、意味があることなのだろうと思います。』
ということを書きましたが、
相性に限らず命式や星図というのも相性と同様に、
いかに平面的に見えたとしてもそれが示すのは長いプロセスであり、
完成形へ至るまでの諸々を含むものなんだろうということを、この映画を観て感じた、その感覚をもう少し掘り下げて感じてみたいので、多分何度か観直すと思います。
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