陰占と陽占、それぞれの役割について質問を頂いたので書いておきます。
算命学では、
陰占をもって形を把握し、
陽占をもって中身(気)を捉えます。
人間関係におけるやりとりというのは、気の関係において起こるものなので陽占で見ます。
一方で、同じ人間関係でも、その家族とかチームとか、そのポジションや組み合わせ、組織として何かに向かうという場合のその立ち位置というのは、構成する集団の構成なので陰占でもってその形を把握するために陰占で見ます。
よって、
組織づくりとかチームづくりをする場合は、
陰占の命式で効果的な組み合わせを考えていくことになります。
そうして作った組織なりチームなりのカタチが原初にあって活動や行動が起こるということです。
陰占の十干が陽占の星を生み出していくのですが、そのベースになる十干のざっくりな説明は以下の通り。
・甲
陽の木性、姿は樹木、性質は真っ直ぐ。
大地に根を張り真っ直ぐに伸びて枝葉を広げます。
・乙
陰の木性、姿は草花、性質は優しく柔軟。
樹木の近くにあって伸び、人に踏まれても伸び栄えます。
・丙
陽の火性、姿は太陽(世界において唯一無二の不可欠の存在たる太陽)、性質は明るく暖かい。
・乙
陰の火性、姿は灯火、性質は小さな範囲の明るさ、暖かさであり、人が利用できる火。「孤明」「孤暖」、太陽に対して月とも。
・戊
陽の土性、姿は山岳、性質は不動。
人の立ち入りがたい山であり、人ともにあるときは自ら動かず人が寄ってくる存在。
・己
陰の土性、姿は平地・街、性質は広平。
人が集まる場所、生活する場所であり、そうした人を育んだりもする。
・庚
陽の金性、姿は鉄鋼や岩石、性質は鋭剛。
武器となって戦ったり、揺るぎない岩石のような存在。
・辛
陰の金性、姿は宝石、性質は柔鋭。
美しく気位高く、美なる剛。
・壬
陽の水性、姿は海や湖、性質は流動。
海流、海運が様々なものを運ぶように遠くに動く性質。
・癸
陰の水性、姿は雨や雪、性質は暗流。
大きな流れを追うように合流していく姿であり、静かに優しく流れる姿。
なお、これは陰占における十干の解釈であり、算命学の入口で学ぶ十干の解釈とは少し異なっています。
なぜ異なるかといえば、
入口で学ぶ十干は姿と性質、体と気を含めた解釈である一方、
陰占における十干はそのカタチに特化した解釈だからです。
中身である気の部分は陽占において把握します。
陰占というのはカタチを把握することに目的があり、
心で感じたり意欲を持ったり何かに向かったり、というのは、陽占においてそれを知ります。
言い換えれば、陰占は与えられたDNAであり、陽占はそのDNAをもってどう生きるか、ということでもあります。
この陰占にある十干の組み合わせで、
陽占の星が出てきます。
例えば貫索星であれば同じ干の組み合わせから出てきます。
甲と甲からは貫索星が出てきて、頑固とか自分の守りという性質になります。
自分と同じ能力性質のが職場にいた場合、
その人といると自分の存在が脅かされるわけで、よって自分の立ち位置を死守することが必要になる、貫索星はそんなふうに生まれます。
石門星は同じ五行の干で陰陽が異なる場合です。
これは、同じ職場で同じ能力性質がある異性がいる場合に似ています。
同じ能力性質ということは価値観が合う人で、それが異性であれば仲良く同じ方向に向かうことができる。
よって石門星は政治力とか仲間作りという性質になります。
陽占のほうが分かりやすいので、算命学を学ぶ場合もたいていは陽占から学ぶのですが、
その背景にはこうした陰占の十干の組み合わせがあることを知り、それを意識するとより理解が深まります。
参考:『原典算命学体系』第5巻
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