渋沢栄一が一万円札になるというニュースをきっかけに、
「論語と算盤」を読み返しています。
この本は、
現代日本に失われつつ徳育やあるべき品位品格について説かれている一方、
天命や天命をもって世に処する方法、
そしてそれを商売利殖に活かす方法についても記されています。
論語といえば、
なんとなく道徳教育的なイメージの書ですが、それを実生活、実社会に活用していくことが書かれているという意味では、いわゆる「論語」とは一線を画します。
「富の根元に仁義道徳がなければ、その富は永続しない。」
という一文には、
商売にこそ仁義道徳が必要であることが示され、
「人が世の中に処していくには、形成を観望して気長に時期の到来を待つということも大事な心がけである。」
という一文には、
結果ばかりを急くことなかれという人生訓が説かれています。
また、
「人間は天命に従って行動しなければならない。天命から外れれば悪い結果になるに決まっている。」
「逆境を人為的逆境か自然的逆境かを区別し、天命による自然的逆境であれば来るべき運命を待ちつつ屈せず勉強し、人為的逆境であれば自らを省みて悪い点を改めよ」
という箇所などについては、
算命学的処世術の副読本としても活用できるのではないかな?と思います。
この時代の人たちは、
「天命を生きる」ということに真摯に取り組んでいました。
それは現代日本では失われつつあるものですが、
少なくとも算命学を学び、あるいは算命学による宿命を生きようとする場合には、
「天命を生きる」ためにはどのような心構え、在り方が必要であるかを知る必要があります。
「論語と算盤」は、そうしたことを丁寧に説いています。
折に触れて内容を紹介していこうと思いますが、
算命学を学ばれている方は、是非ご一読いだければ参考になるのではないかな、と思います。
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