漫画『テレプシコーラ』の算命学的考察の続きです。
※ネタバレ注意
このお話の前半、主人公である六花ちゃんの友人として、
須藤空美ちゃんという女の子が登場します。
「女の子」と書きましたが、不細工な男の子のような容姿で描かれています。
彼女は没落家系、極貧、家庭内暴力、不美人(率直にいえば「超」がつくほど醜い顔)。
そして不美人でその顔立ちを親戚にも友達にも蔑まれ、壮絶なイジメを受けたりする一方、家計のために児童ポルノのモデルをさせられたりしている、
「不幸の総合デパート」みたいな生い立ちの女の子です。
このお話を10年くらい前に最初に読んだときは、なぜ彼女がこのお話に登場するのかさっぱりその意味がわかりませんでしたが、
今回はすぐに、この想像を絶する不幸のオンパレードが、この空美ちゃんが将来、バレリーナとして大成することの伏線であることが分かりました。
これだけの不幸な話が何の意味もなく物語に描かれることはありません。
(それは実際の人生でも同じです。)
空美ちゃんは日干庚で宿命二中殺(年干支と月干支が中殺)か全中殺(日干以外すべて中殺)、天貴星が若年期、天将星が壮年期にあり、主星は調舒星、南に龍高星がある印象。
大金持ちだった家系の没落期に生まれ、
言葉に尽くせぬ不幸を味わい、親からも家系からも離れて海外に養子にいってその才能を大成させた女の子は、そんな命式だろうと思います。
宿命二中殺や全中殺、あるいは天将星が必ずしもこうした酷い親や家系の元に生まれたり、あるいは不幸に見舞われるわけではないですが、
こうした親や家系に生まれ、不幸を経て親元を離れれば、ほぼ確実に不幸をバネにして陽転します。
なお、空美ちゃんは極貧である一方、プライドも高かったので六花ちゃんの優しさを素直には受け取れませんでした。
また、第2部において成長して再会してからも自分があの空美であることを明かしません(中国人の大富豪の養子になってアメリカ国籍でコンクールに出場、物語の中では彼女が空美ちゃんであることはほのめかされるにとどまっています)。
しかし、こうしたところから、
2人の日干が干合の関係にあることが感じられます。
実際、日干庚の空美ちゃんと日干乙の六花ちゃんはどこかで惹き合うものがあり、その結果として六花ちゃんの日干乙は干合変化して辛の風情を感じさせるようになります。
なお、日干辛は六花ちゃんをバレエの世界に導いた姉である千花ちゃんの日干。
(日干も命式も私の単なる想像ですが)
このあたりにも、主要な登場人物の算命学的に意味ある関係が感じられます。
なお、日干庚の空美ちゃんがあれだけ華やかにバレエを魅せることができるあたりからは丙の透干が感じられ、庚が丙によって精錬されていることもまた伝わってきたりしました。
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