算命学における矛盾の意味

算命学は膨大な占術を薄皮のように重ねながら、一人の人間、一つの国家を読み解いていく学問です。
さまざまな占術や占技により、
さまざまな角度から物事を捉え、
さまざまな事象との絡み合いから生じる現象を汲み取っていく、そんな学問です。

「さまざまな占術や占技」
と書いたように、その数は膨大で、その膨大な占術・占技を16の理論体系としたものが十六元法といわれます。
膨大なだけに、部分を見るとそれぞれ結果が矛盾しているように見えるものや、内容がかけ離れているように感じられるものもありますが、
これは、一人の人間がシンプルな一つの単語などではとても言い表すことができず、多面性を持ち、かつ矛盾に満ちた複雑な存在であることによります。

言い換えれば、
複雑かつ矛盾に満ちた人間という存在を読み解く学問であるからこそ、
算命学も複雑にして矛盾に満ちているといえます。

しかし、
たとえ複雑で矛盾に満ちていようと一人の人間は一人の人間であるように、
算命学の理論や結果も、一人の人間観察として統合されていきます。

例えば算命学の基盤となるもとして、
陰占と陽占がありますが、
陰占において土性一気格(干支が全て土性)であれば、陽占の十大主星はすべて木性(貫索星と石門星)になります。
そこで、土性のはずなのに木性が現れてどっちなんだろう?
と思ってしまったりするのですが、
これは、陰占と陽占では表しているものが異なることによります。

陰占はDNAともいえる潜在的な性質や行動のパターンを示し、
陽占は対人関係や社会における在り方、考え方、志向性のパターンを示します。
陽占の主星はその人の本質を示すといわれたりしますが、これは、世界社会においてのアイデンティティのようなもの、
その奥にはその根源的な性質があり、それが陰占に現れます。

先の土性一気格の例でいえば、
その人を周りの人から見れば物事を保守的に考え、時に協調性を見せながら頑固な質を持って人間関係を築き生きていくわけですが(貫索星、石門星)、
その根底には人や物を引き寄せ育てる暖かい質があったり、動じることのない安定感や魅力に溢れた性質があったりします(戊、己)。

このあたりは、
実際に人の命式を見ながらその人となりに当てはめていくと分かりやすいので、
最初のうちは、自分や身近な人の命式で見ていくと理解が早いように思います。

但し、算命学を教える学校の中には、身内の命式は見るべからず、としているところもありますので、それもお含みおきください。

Photo by 五玄土 ORIENTO on Unsplash

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA